五十六、祭りの後…IV ページ6
「なんのことでしょう。わかりかねますが」
猫猫は無表情のまま答える。
「では、配膳のものが間違えたというのか？」
「それもわかりません」
あくまでしらを切る。
「これくらいは答えてくれ。狙われたのは徳妃だということだな」
「他の皿に毒が入ってなければ」
そういうことになる。
壬氏が考え込むのを見て、星藍と猫猫は部屋を退出すると、壁にもたれて深く息をするのだった。
「これで更生してくれればいいんだけどね」
「ほんとだよ、全く」
(無知って罪だ)
お付の侍女は知らず知らずのうちに仕える妃を殺そうとした。はっきりとした証拠はないため処罰が下されることはないだろうが、本人はどうだろうか。罪悪感に自己嫌悪、それはもう強く感じることだろう。
(まあ、人の命がかかっているんだからしょうがないよね)
存分に苦しんで、更生したらいいと思う。
星藍と猫猫はどちらからともなく歩き出した。
「小星！」
翡翠宮までの帰り道、突然の呼びかけに振り向くと、高順が立っていた。
おそらく今星藍たちが歩いてきた道を走ってきただろうに、汗ひとつかかず、息も上がっていない。
「どうかなさいましたか？」
「はい、以前依頼した書き写しの仕事を、もう一度頼みたいのです」
(そういえば、そんなこともあったな)
最近の出来事の印象が強すぎて忘れていた。
正直あの仕事は、暗号解読というか、書き写しの範疇におさまっていないような気がするのだが。
「今からですか？」
「はい。早急に、との事です」
「わかりました。でもその前に、翡翠宮に連絡させていただけませんか？私の一存だけでは何も決められません」
「ご安心を。連絡はしておきました」
(仕事が早いな)
星藍たちが来る前に連絡していたのだろう。
「そうでしたか。それでは、直接参ります」
「はい、ではこちらへ」
「それじゃあ、後でね、猫猫」
「うん」
猫猫はそそくさと翡翠宮へと帰って行き、星藍と高順も目的地へと向かった。
終わり
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うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になっていますが、これで終わりなのでしょうか？ (12月14日 0時) (
レス) id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
途時(プロフ) - 20051207reiさん» オチはまだ決まっていません。これから決めていこうと思っています。決まり次第お知らせしますので、これからもよろしくお願いします！ (2020年11月7日 19時) (レス) id: 72a10d6769 (このIDを非表示/違反報告)
20051207rei(プロフ) - この話はジン氏×猫猫ですか? それとも星藍でしょうか？教えてくれたら嬉しいです（*｀・ω・*）ゞ (2020年11月7日 3時) (レス) id: 0443befe15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：途時 | 作成日時：2020年11月5日 8時
