あの日、あの場所で (ページ3)

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未練ページ3

次の日の朝、幸いにも腫れなかった目を擦りながら教室へ向かった

「A、おはよう。昨日急に帰るから焦ったやん」

窓側の自分の席に着くと、何も知らない恭平が呑気に私に話しかけてくる

「ああ、ごめん。でも、彼女できてよかったやん」

「ん？ああ、おん」

「こんなアホでも、貰ってくれる子がいるんやね」

「は？うるさい、ええやろ？俺、自他共に認めるイケメンやし！！

それに、向こうから好きって言ってくれてん」

照れ臭そうに頭をかきながら、恭平は私から目を逸らす

　

チャイムが鳴り恭平は私の斜め前の自分の席へと戻っていく恭平を見ながら、今までのことを思い出す

物心ついた時から、恭平は常に私の近くにいた

家は近所だし、どちらかの親が仕事で遅くなればお互いの家で夕食を食べて帰りを待った

「付き合っちゃえば？」

友達からそう言われたこともある

だけど、幼馴染の壁を壊す事が怖くて、今まで関係が崩れるのが嫌で、仲の良い幼馴染みのままでいる事を選んだ

そう、選んだのは自分なのだ

ちっちゃい期待すら、もう持つことはできない

未練たらたらな自分を情けなく思い、

机に顔を伏せた