決意 ページ2
いつか、そんな日がくるって思ってた
恭平は小学校の頃からモテてたし、中学生や高校生にもなれば彼女のひとりやふたり、すぐできる
中学の頃、恭平はバスケの部活に集中してて彼女は作らへんかったけど、
高校に入ってから部活をキッパリやめて、「青春を謳歌する」なんて言ってた
だから、
そんなん、覚悟してたはずやのに
そん時は、全力で応援しようって思ってたのに
自分、弱
フェンス越しに校門の方を見れば、恭平と小柄な女の子
いつもつっぱってばかりのわたしとは正反対の、可愛らしい子
ネクタイは私のとは違う赤色で、ひとつ下の学年だとわかる
恭平はわたしには見せた事ない笑顔でその子を見つめてる
幼馴染のわたしに見せる笑顔とは違う
2人は楽しそうに校門から消えた
そんな2人を見て、改めて恭平が誰かのものになってしまったことを感じる
見上げてた夕日にもう一度目を向けると、いつまでも沈む気配はなくて、今の自分には眩しすぎて
でも、下を向いてしまえば我慢してる涙が溢れてしまいそうで
そんな葛藤の中ツーっと流れた自分の涙を拭くこともせず、フェンスに手をかけたままそっと目を閉じた
次に目を開けたときには恭平の"幼馴染"として過ごす、そう自分に言い聞かせて。
何分すぎたんやろうか、次に目を開けたのは本来なら水曜日にあるはずの7限の終わりを知らせるチャイム音だった
「よし、帰ろ」
日も落ちかけ、私は自宅へと急いだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 36人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蛍 | 作成日時：2020年4月13日 15時
