Hot Coffee_ 《紫》 (ページ8)

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今日も暗くなった道を1人で歩く。

冬になって日が落ちるのも早なったなぁ

なんて思いながら、LEDライトの花道を抜け
蛍光灯に変わる少し薄暗い道に差しかかる。

ぱちぱちと、雨が傘にぶつかる音が響く。
雨の日は得意じゃないけど、なんだか雨も悪くないな。

少し歩けば大阪に出てきた時からずっと住んでるマンション。

まあまあ新しくて綺麗だし、気に入っている。

『ただいまあ』

勿論、返事はない。

傘についた水滴を外でばしゃばしゃと振り落とし
くるくると巻きながら部屋に入る。

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" 何処かで会うたことありますか？ "

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あの時は思い出せなかったけど、確かに
言われて見れば聞いた事のあるような気がする。

でも、大阪に知り合いなんていないし、
ましてや男の人なんて…

きっとあの人の勘違いだったんだ。
暗いし雨降ってるからきっと誰かと間違えただけ。

なんて、終わらせてはいけない気がしたけど、
それ以上考えてもその"誰か"は出てくる気配がない。

一旦忘れよう。

冷蔵庫からキンキンに冷えたチューハイを取り出して、
テレビをつけてからプシュッと軽快な音を立てて
プルタブを開ける。

最近になって仕事後のお酒が美味しい事を知った。

ただ、自分が思った以上にお酒に弱かったので
飲む量には気をつけなければならないと思いつつも、

まあ1人だし、ちょっとくらいと甘えに負けて
次々と開けてしまった。

テレビでちょけてる芸人さんをみて涙が出るほど爆笑する。

『私こんなゲラやったかな… 』

まあええか、と再び喉にお酒を流す。

流石に飲みすぎた。
明日はきっと二日酔いだな。

そこからはもう記憶が無い。

多分睡魔に負けてそのまま寝てしまった。

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