Hot Coffee_ 《紫》 (ページ4)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:18,046 hit

4 ページ4

．

『風雅くん、いつもの所にホットコーヒー7つ
お願いします』

風「はいはい、」

電話を切った後、1杯1杯丁寧に淹れて、
ミルクとお砂糖を紙袋に入れる。

『美味しいって言って貰えますように… 』

今日は店長が忙しくて、私が珈琲を淹れる事になっている。
そしたら電話がかかってきて、なんて。

もしかしたらそういう運命、とか考えてる私は
まだまだ子供なんだな。

風「じゃ、行ってきます」

『あ、お願いしますっ』

デリバリーはいつも風雅くんが行ってくれる。

Aちゃんが行くのは怖いから。
道に迷って泣いてそうやん？って、一見意地悪を
言ってそうで、本当は優しい風雅くん。

いつもありがとうございます。

ｶﾗﾝｺﾛﾝ

『あ、いらっしゃいませっ』

今日1番目、いや実質2番目かな。

お客さんが入る。

ああ、もう珈琲届いた頃かな。

いつも7つ頼んで下さるって事はあの電話主さん
以外にも飲んでくださる方がいるって事やんな…

緊張する…。

すいませーん、とお客さんからのお呼び出し。

『今行きますっ』

人が徐々に増えてここから忙しくなってくる。

風「ただいまあ、雨降ってきてるんやけど」

濡れた最悪、と入口で前髪を直す風雅くん。

『いつもありがとうね』

風「 Aちゃんが行ったら、途中で風雅くん助けてっていうオチやろ？」

『よくお分かりで… 』

丸「風雅ぁ、中手伝ってぇ」

はぁい、とテキパキ動き始める風雅くん。

意地悪言いつつ働き者。

『よしっ、、』

私も負けてられないな、とこれから繁盛する時間帯に
なっていくのを見て、気合いを入れ直す。

正直、3人で回してるこのお店は忙しすぎるくらいやけど、

あっという間に過ぎてお客さんの流れもいつの間にか
落ち着いた。

．