Hot Coffee_ 《紫》 (ページ28)

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ついこの間までおったのに、もう久しぶりな感じがする。

小「やっぱり大阪ええなっ」

新幹線から降りて伸び伸びと背伸びをする望と、
緊張、緊張、不安でガチゴチな俺。

小「濵ちゃん、行くで」

望の声で我に返る。
人の荒波に揉まれながら改札をぬけて、
やっと息が吸えるようになる。

濵「…よしっ、俺頑張るで望」

小「え？ああ、うん、」

キョトンとする望に構わず、決意表明をして
あのカフェへの道を、まるで引き寄せられるかのように
歩いて行く。

だんだん景色がお店に近づいてくると、隠していた不安やら緊張やらが顔を出し始める。

大丈夫や、俺。落ち着け。

何度もそう言い聞かせるけど、収まるどころか緊張で気持ちが悪くなってくる。

ライブでもこんな緊張せんのに…。

でも、それくらいAさんは俺にとって特別なんや。

葛藤している間に遂にお店の前まで来てしまった。

小「思ってたよりお洒落なとこやな、
なんで早く連れてきてくれへんかってん」

濵「望、うるさいもん」

小「はぁっ！？俺うるさないしっ」

濵「いや、そういうとこやって、」

ふと店内に目をやると、驚いたように見ていた彼女と目が合った。

濵「あっ…」

その目は瞬時に逸らされてしまったけど、確かに揺れていた。
気づいていないフリでもしているかのように、仕事に戻る彼女が何とも苦しかった。

小「濵ちゃん、こりゃ勝負やで」

ええか、と一息おいて喋り始める。

小「こういうのはな、ただただ突進しても勝てへんねん、作戦を立てな。で、俺は今いい作戦を思いついてる。だから濵ちゃんは安心してそれに乗ってな？」

絶対いけるからと、謎の自信を持つ望と、
半信半疑な俺。

望くらい自信持てたらな、今頃悩んでる事なんて無いのに。

また俺の悪いところや。

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