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そのまま固まる私を見て風雅くんが言う
風「やっぱり知らんかったんやな、」
『え？』
風「�陲舛磴鵝�芸能人、やで」
分からない。何故かわからないけど背筋がすっと冷たくなったような、ものすごく苦しくなった。
一気に�霤弔気鵑�遠くに行ってしまったように、もう触れては行けないかのように感じてしまう。
風「あんまり芸能人には見えへんけど、」
なんて風雅くんが続けるから、何か言わないとと思って咄嗟に言葉を探す。
『そうかな、かっこいいと…思うけど…』
当たり障りのないセリフを吐けば、苦しさ諸共飲み込むように炒飯を掻き込む。
その時、通知音が響いた。
スマホの画面を見れば
1件の通知。
"こちらこそ、追加してくれてありがとう！
よろしく！"
なんてタイミングが悪いんだろう。
普通なら芸能人と繋がれたことを喜ぶんだろうか、
どうして私は嬉しくないんだろう。
色々な考えが頭をグルグルと渦巻く。
目の肥えた芸能人が私なんか相手にしてくれるのかな。
こうやって飛んでくるメッセージがこんなにも痛いなんて。
遊ばれてる…だけなのかな。
液晶の中で�霤弔気鵑魯�ラキラと輝いている。
芸能人、芸能人なんだ。
考えれば考えるほど鼻の奥がつんっと痛くなる。
自分が泣いていることに気づいたのは、風雅くんが優しいその指で私の頬を撫でたから。
風「好き…なんやな、知ってたけど」
お見通しか、と自分のわかりやすさにもはや笑える。
『馬鹿だよね1人で舞い上がってさ』
風「…」
『�霤弔気鵑亮�り綺麗なお姉さん沢山いるんやろうな、眼中にもないのに私なんか…』
風「Aちゃん、」
『分かってる、諦めなきゃいけないの。でもこんなに苦しいのにさ、』
風「Aちゃんっ」
『無理なんよ、諦めようと思っても…っ』
ふわっと香るシャンプーの匂いと背中に回る大きな手。頭を撫でる優しい手。耳元で聴こえる落ち着いた声。
風「Aちゃん馬鹿なんかやないで」
アホやけど、と付け足すのは風雅くんの優しさ。
ああ、好き。好きなんだ。�霤弔気鵑�。
風雅くんの腕の中で聴く�霤弔気鵑寮次�
暖かくて太陽みたい。聞くだけで私の心まで暖かくなる魔法みたいな声。
苦い。ホットコーヒーのように。
こんな形で片想いが終わるなんて、
メッセージには既読は付けず、その日は眠りについた。
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作者名：花音 | 作成日時：2021年6月6日 15時
