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なんて返そうと悩んでいるうちに、結局何も返せないでいた。
今さっき帰宅して時計を見れば22時30分。
流石にもう寝てしまってるんやないか、とも思ったけど、このまま返さへんのもあかん気がして
彼女とのトーク画面を開く。
他の人が見れば連絡先を交換したあとのテンプレとも言えるこの文章。
でも、俺にとってはことばでは表すことはできないくらい特別で。
"こちらこそ、追加してくれてありがとう！
よろしく！！"
文末にはAさんと同じ絵文字を並べる。
そういうとこやんな、気持ち悪い言われるん。
なんとなく既読がつくのが怖くて、
送ったあとからスマホを見ることが出来ない。
なんとも居た堪れない胸騒ぎがして、無意味に家をグルグル徘徊してしまう。
いつもは俺が電話をかけるから、今日は逆やなとか、心の中でちょっと笑ってみたり。
すると突然、静かな家の中に響く通知音。
慌てて飛びつくように画面に見入る。
望:ちょ、俺らおもろすぎやろwwwwww
なんやねん、望か。
と肩を落とす半分、ちょっとホッとしてる自分もいる。
この前収録したののオンエアか、今日。
スタジオを思い出せば、これもまたぶっ飛んだ回だったなと、笑えてくる。
まだ既読はついてない。
寝てしまったんかな、と早く送らなかったことに少し後悔。
俺も寝るか、と部屋の電気を消すとぼんやりと浮かぶ冴えない月が俺を見下ろしていた。
Aさんも同じ月に照らされてるんかな、とか柄にもないこと考えて、メンバーからのツッコミも聞こえるような気がする。
ちゃんと隠さなバレるのも時間の問題やな。
一人で反省会。
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作者名：花音 | 作成日時：2021年6月6日 15時
