Hot Coffee_ 《紫》 (ページ15)

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マフラーに顔を填めて、現れては消える白い息に
感動しながら家に帰る。

ポケットの中では、濵田さんから貰ったメモを
大事そうに左手が握り締めている。

『ただいまぁ』

まるで私の帰りを待ち構えているかのように
佇むベッド。

思わずダイブしかけて部屋を一望する。

片付けなきゃ…

明日からは風雅くんもここで過ごす事になるんだ。

私の家とはいえ、ある程度快適に過ごして貰えたら
いいな、なんて思って床に落ちてるものや、

ソファーにかかりっぱなしになっている洋服を、

クローゼットにしまう。

男子高校生とでもなると、やっぱり人一倍食べるんだろうか。

私のいつもの量じゃ夜ご飯も足りないだろうな。

風雅くんって何が好きなんだろう。

意外と知らないもんなんだな。

炒飯とかなら万人受けするだろうし、明日の夜は
炒飯でいっか。

明日から本当に風雅くんと暮らすんだもんなあ、

男性と1つ屋根の下で暮らした事なんか、家族以外で一回もない。

風雅くんほんとに私の家でよかったんやろか。

ベッドに寝転んで、天井をぼーっと眺めながら
色んなことが頭の中を巡る。

ぎゅるるるるる、

『 …あ』

そういえば、今日の夜ご飯まだだっけ。

『 …眠いし今日はいいや』

枕に頭を乗せれば魂を吸い取られるかのように
いつの間にか眠りについていた。

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