シンジュクNo.2ホスト系女子。【伊弉冉一二三】

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画面越しの彼女をぼんやりと眺める。


普段の男装を全く想像させない、綺麗な女の子。
見せているのは素の表情で、挙げ句とどめには俺っちの服着てんの。


改めて考えると、この写真やばくね？





『ひふみってば、そんなに見つめて。さては私の顔が好きだったりしてね』


「あえ！？」


突拍子もなく発された彼女の台詞に、思わず肩がビクッと跳ねる。


やべ、あからさますぎた......！


彼女の表情から、からかって言ったことは理解したが
時すでに遅し。


「ちが！いや、違くはねぇ、けど......」


否定しようとしたが、いくらなんでも彼女を貶す嘘なんてつけなかった。



ちらりと彼女の顔を窺うと、困ったような、照れくさそうな顔をする。

嗚呼、なんでそんな風に頬を赤く染めるんだろう。


虚しく胸の奥に埋めく期待と、抑えきれない気持ちは
とどまることを知らずに膨れ上がっていく。






もう誤魔化せない。



顔が好きだとか、そんな浮わついたペラペラな気持ちなんかじゃない。

Aちゃんのことを沢山知って、色んな顔を見てきて
そしてこれからも、もっと知りたいって思ってる。あわよくば君の一番傍で。






「Aちゃんが、好きだよ」





想いを打ち明けても、不安と恐怖が心に残る。


彼女が離れてしまう不安と、手離せなくなってしまいそうな恐怖。








だけど、伝えずにはいられなくて。




性別を乗り越えて、唯一心から大好きになれた女の子。


こんな風に触れられるのも、この先ずっと愛せるのもAちゃん以外に考えられない。




だから





『......誰かにそんな顔をされたの、 一二三が初めて』



情けなく震える俺っちの手を、そっと優しくとって。

それから彼女は、とろけそうな笑顔でふわりと笑ってみせた。




『真っ直ぐな気持ちをくれて、ありがとう......私も』






"好きだよ"








握られた手をそっと引いて






俺は、彼女の小さくて柔らかい唇に

そっと触れた。









不思議なくらい、心は感じたことのない温もりで満ちていた。









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