おまけ 無骨な柔道バカの興味が全て彼女に移りました。２ ページ45
飛んできた空き缶を手で止めるのも、よけるのも面倒と思い、
俺は飛んできたまま、空き缶を頭で受け止めたからです。
「ああ―――っ!
ごめんなさい、すみません、大丈夫ですか?」
彼女は俺の頭の上の空き缶を見て、慌てて駆け寄ってきました。
「怪我してないですか?
どこか痛みませんか?
本当にごめんなさい!」
彼女は頭を下げて謝罪しながら、俺の様子を確認する為に周りを
一周しました。
(そんな変な動きをしたら……)
と心配した矢先、彼女は脇の電柱におでこをぶつけていました。
そしてやっぱり、電柱に謝りました。
「本当にすみませんでした」
彼女は俺の頭に乗っていた空き缶を握りしめて、深く頭を
下げました。
「そうだ、女の子用ですけど、これ。
使ってください」
彼女はカバンからばんそうこうを出して渡しました。
それは動物が描かれた黄色のばんそうこうでした。
「傷もないし、そんなものもらっても……」
「いやいや、念のため!」
「はぁ……」
彼女は優しさでやってるのだし、押しが強いから断る方が
面倒くさいと思い、ばんそうこうを受け取りました。
「本当にすみませんでした」
と彼女はもう一度頭を下げて、
「それでは」
トコトコと走っていきました。
５メートルほど進んだところで転びました。
真っ平らな地面だったので怪我はないようでした。
彼女は起き上がると、俺を振り返って照れたように笑い、それから
立ち上がってまた走っていきました。
それが僕と彼女の出会いです。
名前も、クラスも、家の場所も分かりませんでした。
部活があるので、あれから一度も見かけていません。
でも、
彼女の名前はなんていうのか、
どこのクラスなのか、
何部なのか、
彼女のことが気になって、
勉強にも、
授業にも、
柔道にも、
実が入りません。
とても鈍くさくって、とても優しい彼女。
もう一度、会いたいです。
続!!(かない)
あとがきー→←おまけ 無骨な柔道バカの興味が全て彼女に移りました。
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ほっしぃ(プロフ) - 水無月さん» わぁ! 読んでくださって、ありがとうございますっ! 週2更新のくせに、ノロノロですみません。（_ _）ﾍﾟｺﾘ (2016年8月15日 18時) (
レス) id: fd5b62dc73 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - いえいえ、大丈夫ですよ！更新がんばってください！応援してます！ (2016年8月15日 0時) (レス) id: e5647962dc (このIDを非表示/違反報告)
ほっしぃ(プロフ) - 私情で日曜に更新できなくて、すみませんでした＜（_ _）＞ (2016年8月8日 15時) (レス) id: fd5b62dc73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほっしぃ | 作成日時：2016年6月26日 22時
