手紙4 ページ4
名取「もう10年以上前に起きた幼女虐待殺人事件のことだよ。当時幼かった山内Aは母親の虐待に耐えきれず、外へと逃げ出した。真冬の事だったらしい。……頭を殴られて出血していた山内Aは森の入口の桜の木の根元で気を失い、そのまま凍死してしまった。」
名取さんから語られる事件の内容に俺はすっかり顔から血の気を失わせていた。
しかし、その事件と『あの方』と呼ばれる少年との接点はどこにあるのだろうか。
名取「……そして、運がいいのか悪いのか。山内Aの死んだ桜の木は長い年月をかけて妖力を持ってしまっていたんだよ。」
ニャ「そのままその妖力を受け取って妖になってしまったというわけか。」
夏目「え、そんなことがあるんですか？」
名取さんは相変わらずの笑みを浮かべたまま「聞いたことの無い事例だね」と俺の質問に答える。
名取「だが、それが起きてしまった。桜の妖として、山内Aの魂はそこに存在し続けてしまったんだよ。そして、『あの方』と呼ばれる少年と出会ってしまった。」
ふいに名取さんが遠く向こうを指さした。
その指先をなぞるように視線を向こうへと向ければ、少し小高い丘が見えた。
しかし、
夏目「……切り株？」
そこに桜の木はなかった。
名取「山内Aは元々人間だった分、妖力は澄んだものではなく、怨霊に交じるような禍々しさも持っていた。君ならあれに触れられた時の気持ち悪さがわかるだろう？」
禍々しい妖力というものに触れた時はたしかに気持ち悪くて、意識を持っていかれそうになるときもあった。
それを思い出して、僅かに皮膚が粟立つ。
名取「だから、彼と彼女は触れ合うことが出来なかった。」
夏目「……じゃあ、2人は……」
名取「お互い、愛し合っていたそうだよ。だけど、桜の木は切り倒されることが決まっていた。」
その言葉に俺はあの切り株の存在が、その桜の木のものだと、ようやく気が付き、目を見開いた。
名取「桜の木から妖力を得ていた彼女は桜の木がなくては存在できない。……だが、桜が切られて妖力が無くなった数秒はただの人間になる。そこで2人はようやく触れ合い、山内Aは彼を置いて消えてしまった。それ以降、彼はずっと妖の森に入り浸っているそうなんだ。」
夏目「……じゃあ、手紙の宛先人は……」
名取「恐らく、山内Aだろうね。」
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星屑(プロフ) - 花楓さん» コメントありがとうございます！風邪をひくので服きてください！！3月の頭には更新できるように頑張ります！！！ (2019年2月27日 23時) (
レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
花楓(プロフ) - 続きを全裸待機してます！！！！！ (2019年2月16日 14時) (レス) id: b8400c6b71 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - ノルンさん» 先月は少しバタバタしていて全然更新できなかったので今月は少しでも多く更新していけたらな、と思っています。 (2018年11月4日 13時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - わーい！ 有難うございます！お待ちしております(｀･ω･´)ゞ (2018年10月30日 22時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - ノルンさん» こちらにもコメントくださりありがとうございます！来月……来月中にはきっと更新しますのでしばしお待ちください！！ (2018年10月30日 21時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星屑 | 作成日時：2018年4月28日 10時
