手紙 ページ1
夏目貴志side
小さな頃から時々、変なものを視た。
それはおそらく、妖怪といわれているものの類。
そして、俺はニャンコ先生との出会いもあり、祖母の遺品である夏目友人帳に名前を縛られている妖たちの名前を返すことを始めた。
「夏目様、夏目様。」
だからその日も、きっと名前を返して欲しい妖が来たのだろうと思った。
もう夜も更けた頃に、窓がコンコンと叩かれた音に目を覚ます。
夏目「……って、多くないか？」
ニャ「見たことの無いヤツらだな。」
窓を開けてやればぞろぞろと入ってくる妖たちはどれも小さく、祖母はこんなちっこいのにまで喧嘩をふっかけていたのか、と無意識にため息をついた。
しかし、
「夏目様は我々が見えるぞ。」
「一緒だ。一緒だ。あの方と一緒だ。」
「お強いと聞いた。」
「すごいと聞いた。」
「だから、来た。」
俺の予想と反して、彼らは名前を返してほしいとは言わなかった。
夏目(……あの方？)
そして、ひとり(1匹？)が前へ進み出て、1枚の手紙を差し出してきた。
「夏目様。あなたのお力で『死者』に手紙を届けることはできませんか？」
他の妖たちと比べて流暢に喋る彼は、小学生くらいの身長しかなく、その顔に目だけ塗られた面を被っている。
夏目「……死者に手紙？……悪いが俺にそんな力はないよ。」
そう言って、差し出された手紙を押し返すようにして断ると、「そんなっ！」と他の妖たちがワタワタと慌てだした。
しかし、手紙を差し出した面の妖怪だけは、静かに「……そうですか。」と大人しくその手紙を引っ込めた。
夏目「……あの、なぜ死者に手紙を？」
関わる気なんてなかったが、彼らはその手紙をどうしても届けたくてここに来たのだろう。
その手紙の相手はもしかしたら『あの方』と呼んでいる人間なのかもしれない。
俺や、名取さんのような、妖怪が見えた人間に。
「……あの方の、力になってあげたいのです。」
夏目「……え？」
しかし、面の妖怪の言葉は俺の予想とは反するものだった。
夏目「……じゃあ、手紙を書いたのは……」
「はい。あの方にございます。あなたと同じ、人の子でございます。」
その言葉にやっぱり、と小さく言葉をこぼす。
妖怪が、人のために力になってやりたいと、俺の元まで訪ねてきた。
それはどこか不思議な事に感じた。
式でもない、ただの妖が『あの方』と呼ぶ人のために人である俺を頼るということが。
夏目「なあ、その話、詳しく聞かせてくれないか。」
ニャ「な、なに！？」
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星屑(プロフ) - 花楓さん» コメントありがとうございます！風邪をひくので服きてください！！3月の頭には更新できるように頑張ります！！！ (2019年2月27日 23時) (
レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
花楓(プロフ) - 続きを全裸待機してます！！！！！ (2019年2月16日 14時) (レス) id: b8400c6b71 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - ノルンさん» 先月は少しバタバタしていて全然更新できなかったので今月は少しでも多く更新していけたらな、と思っています。 (2018年11月4日 13時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - わーい！ 有難うございます！お待ちしております(｀･ω･´)ゞ (2018年10月30日 22時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - ノルンさん» こちらにもコメントくださりありがとうございます！来月……来月中にはきっと更新しますのでしばしお待ちください！！ (2018年10月30日 21時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星屑 | 作成日時：2018年4月28日 10時
