女王57 ページ9
月島「……で、そのお菓子どうすんのさ。」
A「……蛍、いる？」
月島「……そんなにはいらない。」
僕の回答にだよね、と同意をしめしたリーダー。
A「……じゃあ、部活終わったら皆さんで食べて。」
と言って紙袋1つを渡してきた。多分2つとも渡しても消費しきれないのを分かっているからだろう。
月島「……そうする。」
リーダーが差し出しているその紙袋を受け取り、ロッカー前に置くと、菅原さんが思い出したように、
菅原「あ、そうだ！あの時はありがとう！授業遅れそうで困っててさ。」
と、リーダーにお礼を述べていた。
縁下「……ああ、そう言えば高野さんってあの人ですよね。菅原さんに付きまとってるミスコンで2位だった人。」
不意に補足を告げた縁下さんの言葉にようやく合点がいく。
あの時、菅原さんはその高野さんという人に付きまとわれ、授業に遅れそうだったのだろう。
朝練後の遅刻は下手するとしばらく朝練禁止となると聞いたし。
A「……？覚えてないので気にしないでください。」
菅原「えっ……」
リーダーは先程高野さんとかいう先輩のことをがっつり覚えていた挙句に蛾呼ばわりまでしていて、菅原さんを助けたことは覚えてないなんてそんなわけあるはずがない。
月島(……リーダーにとってあれは助けたことにはいらないってこと？)
困ってるように見えたから。
なんとなく手を貸しただけ。
多分リーダーにとってはそれだけのことなのだ。
今も、そしてあの時のことも。
月島(……リーダーに初めて会った時も僕と山口が困ってた時だっけ。)
そう思い出に感傷するも、ふと、ある事に気がついた。
月島(……あれ？リーダーの自宅って雪ヶ丘中学校の学区内だったよね。……なんであの時、烏野学区内にいたんだろ……？)
今まで疑問に思ったことは無かった。
けれども、よくよく考えればおかしい点がある。
あの時のリーダーは民家のベランダから植木鉢を落としてきた。今のブルーアイのアジトからもやや遠いし、そもそもリーダーの自宅からは山ひとつ分の距離がある。
ふいに気になったその疑問が、やけに気になったまま、僕はリーダーの帰路を見送ることとなった。
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星屑(プロフ) - おしるこぉさん» コメントありがとうございます！そうです、彼こそがシスコンを極めた勘違い体質の兄です(キリッ) (2019年2月27日 22時) (
レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
おしるこぉ - 優人さん…………シスコンじゃねぇかｯｯｯ(真顔) (2019年1月24日 19時) (レス) id: 4bcefc2029 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - ☆AZUSA☆さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けたなら書き手としても嬉しい限りです。これからもどんどん勘違いが加速していきます(笑) (2018年11月24日 11時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
☆AZUSA☆(プロフ) - 初コメです！兄妹のやり取りがア○ジャッシュみたいで面白いです笑 (2018年11月7日 20時) (レス) id: a8b54384e2 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 後ろのメリーさんさん» 応援の言葉ありがとうございます！毎日待ち遠しく思ってくださるなんて……！書き手としてはこの上なく嬉しいです！たくさん更新できるように頑張ります！ (2018年9月29日 21時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星屑 | 作成日時：2018年3月27日 20時
