女王56 ページ8
そう思い、ここ数日のリーダーの行動を思い起こしていると
山口「ツッキー、この前の5組の女子かな？ほら、リ、えーと、汝汪さんのロッカーの前で騒動おこした……」
と、今まで黙っていた山口が思い出したように口を開いた。
すると何故がリーダーの目がすっと細められた。
一気に空気の温度が10℃くらい下がったような、そんな感覚に陥る。
部室にいたメンバー、特に話に参加したりしてこない縁下さんたちまでその場での動きを止めた程だ。
その目を向けられた山口に至っては顔面が完全に蒼白色になってしまっている。
A「……忠、その呼び方したらもう喋らないから。」
山口「ええぇっ！？」
A「……Aって呼ばなきゃ返事しない。」
しかし、リーダーは山口が呼んだ『汝汪さん』という呼び方が気に入らないだけだったようだ。
リーダーの態度は無表情なのにすぐに場の空気に温度差をもたらす。
月島「……A、ほかの人怖がってるデショ……」
A「……え？」
そうなのか、と周りを見出すリーダーは自分が凄んだ時の怖さを理解していないらしい。
付き合いがそれなりにある僕でも肝が冷えたってのに。
菅原「……あ、これ高野さんじゃないかな？」
そんな中、不意に菅原さんが手紙を覗き込んでそう答えた。
月島「知り合いですか？」
菅原「あ、うん。今日、助けて貰った時にいた人。女王様の前で騒いで、嫌われたかもしれないってかなり気にしてたみたいだから……」
あと、この字に見覚えがあるから、と言葉を続けた菅原さんに、少し考え込む仕草をしたリーダーが、ふと思い出したように、
A「……もしかして、あの時の蛾……」
と、言葉を吐いた。
それに再び部室内が凍りつく。
月島「ちょ、いくら思っても仮にも先輩を蛾呼ばわりしたらダメデショ！？｣
そう言うと、なんで？と言わんばかりに首を傾げるリーダーに、思わずこめかみを押さえる。
そして更に
A「蛾は蛾だろ。」
と、特大爆弾を落としてきたリーダー。
山口「ちょ、リー……あ、Aちゃん！流石にそれはまずいって！」
さすがの山口も窘めにかかるが、目の前のリーダーは本当に何を窘められているのかが理解できないらしく、頭をさらに捻っている。
そして、挙句には
A「ちゃん付けも認めない。」
山口「ええぇっ！？」
と、全く別の方に論点を持っていってしまう始末。
僕はこめかみを押さえたまま、ため息をついた。
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星屑(プロフ) - おしるこぉさん» コメントありがとうございます！そうです、彼こそがシスコンを極めた勘違い体質の兄です(キリッ) (2019年2月27日 22時) (
レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
おしるこぉ - 優人さん…………シスコンじゃねぇかｯｯｯ(真顔) (2019年1月24日 19時) (レス) id: 4bcefc2029 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - ☆AZUSA☆さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けたなら書き手としても嬉しい限りです。これからもどんどん勘違いが加速していきます(笑) (2018年11月24日 11時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
☆AZUSA☆(プロフ) - 初コメです！兄妹のやり取りがア○ジャッシュみたいで面白いです笑 (2018年11月7日 20時) (レス) id: a8b54384e2 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 後ろのメリーさんさん» 応援の言葉ありがとうございます！毎日待ち遠しく思ってくださるなんて……！書き手としてはこの上なく嬉しいです！たくさん更新できるように頑張ります！ (2018年9月29日 21時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星屑 | 作成日時：2018年3月27日 20時
