女王54 ページ6
月島蛍side
菅原「月島!今朝隣にいた子って誰だべ!?」
放課後の部室で、予想通りの菅原さんの反応に、無意識だが眉間にシワがよる。
月島「……隣のクラスの人なんで。」
と、遠回しに詳しく知らないという意図をチラつかせているのだが、菅原さんも引く気はないらしく、
菅原「あ、もしかして昨日の〇INEの幼馴染ちゃん!?」
菅原さんの持ち得る少ない情報でリーダーへと近づいていく。
……ただでさえ、昨日リーダーは『ブルーアイ』のリーダーとして皆の前に姿を現している。
あまり関わりを持たせるとリーダーがあの時のブルーアイのリーダーとバレてしまうかもしれない。
月島「……なんで急に聞き出すんですか。」
もしかして、すでに菅原さんはリーダーの正体に気がついてしまったのだろうか?
僅かに焦る内心とは裏腹に、菅原さんは照れくさそうに笑って
菅原「実は、あの時ちょっと厄介な人に捕まっててさ。いや、厄介って言っちゃうと失礼なんだろうけど……まあ、あの子が助けてくれたから、お礼が言いたくて。」
と、答えた。
あの時というのは間違いなく今朝のリーダーが数学教材を投げた時のことだろう。
あの時の菅原さんは、音に驚いて上を見ていたのではなく、助けてくれた相手を見ようと見上げていたのか。
月島(……リーダーからは菅原さん達は見えないはずなのに……ほんと、リーダーには敵わないネ。)
そう内心でリーダーを尊敬する反面、目の前の先輩がリーダーに対して興味を持ってしまったのがどことなく気に入らない。
月島「……り、Aは気にしていないと思うんで、お礼とか大丈夫だと思いますよ。」
つい、いつものくせでリーダーと呼びそうになるのを慌てて名前呼びにかえる。
菅原さんは気がついていないようでそのまま僕の言葉に
菅原「うーん、でもなぁ……」
と、難色を示した。
菅原さんの人の良さはこの数日でよく分かっている。きっと、引く気はないだろう。
まあ、きっと、リーダーとはそれほど会う機会も無いだろう。学年が違うし、購買や移動教室で鉢合わせしないように気をつけていれば……
A「蛍居ますか。」
菅原「あっ!」
あまりにも良すぎるそのタイミングに僕はそのままロッカーに頭をぶつけた。
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星屑(プロフ) - おしるこぉさん» コメントありがとうございます!そうです、彼こそがシスコンを極めた勘違い体質の兄です(キリッ) (2019年2月27日 22時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
おしるこぉ - 優人さん…………シスコンじゃねぇかッッッ(真顔) (2019年1月24日 19時) (レス) id: 4bcefc2029 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - ☆AZUSA☆さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けたなら書き手としても嬉しい限りです。これからもどんどん勘違いが加速していきます(笑) (2018年11月24日 11時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
☆AZUSA☆(プロフ) - 初コメです!兄妹のやり取りがア○ジャッシュみたいで面白いです笑 (2018年11月7日 20時) (レス) id: a8b54384e2 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 後ろのメリーさんさん» 応援の言葉ありがとうございます!毎日待ち遠しく思ってくださるなんて……!書き手としてはこの上なく嬉しいです!たくさん更新できるように頑張ります! (2018年9月29日 21時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星屑 | 作成日時:2018年3月27日 20時