女王82 ページ34
汝汪優人side
山口「Aのお兄さんですよね!ここは危険です!一旦逃げましょう!」
何故か校門の前で待っていたらそう声を荒らげて近寄ってきた少年。
その後ろでは彼の先輩と思われる人物達が困惑したように少年を見ていた。
山口「こちら山口。リーダーのお兄さんと合流。まだ楠木さんの姿は確認出来ません。」
そう、手首についているブレスレットのようなものに話しかけている少年は辺りを警戒心むき出しの目で見回している。
優人「まて、君は誰だ。それにAは……」
山口「リーダーは今こちらに向かっています!」
俺の質問に見た目に反して大きな声でそう答えた少年は俺の手を問答無用で掴み、走り出した。
優人(リーダー……?)
山口「とにかく今はここから離れるべきです!」
そう言われるも納得ができるわけもなく、俺は無理やり少年の手を振り払った。
優人「説明もなしに納得できるわけがない。それに、俺はAを迎えに来たんだ。」
そして少年が引き止める声も聞かずに再び校門の方へと向かおうとした。その時だった。
楠木「てめぇに姉貴は渡さねーよ。」
ひどく冷たく、鋭い敵意を持った声が聞こえたのは。
山口「こ、こちら山口!楠木さん現れました!」
楠木「おいおい、山口さん。余計なことしないでくださいよ。こいつは姉貴を苦しめてきた1人なんすよ?許せるわけないじゃないっすか。」
後ろから慌てたように『リーダー』とやらに報告している山口という少年に対して目の前の楠木という少年は明らかな殺気をこちらに向けながらそう言葉を吐いた。
優人(……まさか、こいつ……)
以前、中学生のころ、不良グループにいたAの近くにいた男もこんなような人相をしていたはず。
優人「……Aの彼氏かっ!?」
楠木「……はっ?」
山口「……え?」
烏野高校へ進学したのは彼氏がいるからかもしれないとは予想していたが、彼は烏野高校の制服を着ていない。
しかも、東京へAを連れていこうとしている俺をこんなに敵意むき出しで見てくるということは間違いない!
優人「そ、そんな、まさか同じ学校ですらない年上彼氏だったとは……!?付き合ってどのくらいだ?馴れ初めは?進展はどのくらい……」
A「……まじ黙って……」
不意に聞こえたAの声に振り向けば、そこにはこめかみを抑えて悩ましげな顔をしているAと長身のメガネ少年がいた。
優人「ま、まさか今彼(月島)と元彼(楠木)か!?」
A「なんでそうなるの!?」
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星屑(プロフ) - おしるこぉさん» コメントありがとうございます!そうです、彼こそがシスコンを極めた勘違い体質の兄です(キリッ) (2019年2月27日 22時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
おしるこぉ - 優人さん…………シスコンじゃねぇかッッッ(真顔) (2019年1月24日 19時) (レス) id: 4bcefc2029 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - ☆AZUSA☆さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けたなら書き手としても嬉しい限りです。これからもどんどん勘違いが加速していきます(笑) (2018年11月24日 11時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
☆AZUSA☆(プロフ) - 初コメです!兄妹のやり取りがア○ジャッシュみたいで面白いです笑 (2018年11月7日 20時) (レス) id: a8b54384e2 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 後ろのメリーさんさん» 応援の言葉ありがとうございます!毎日待ち遠しく思ってくださるなんて……!書き手としてはこの上なく嬉しいです!たくさん更新できるように頑張ります! (2018年9月29日 21時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星屑 | 作成日時:2018年3月27日 20時