【HQ】頼むから話を聞いてくれ2【月島蛍】

女王73 ページ25

優人(……よし！これで遠慮なくAを東京に連れて行けるな！)

すぐさま荷物をまとめ、「どうしたのよ！？」と喚く母親に

優人「この家とは縁を切る。二度と帰らない。」

とだけ告げて、家を出る。
「どうして！」と喚く母だった人が外にまで縋り付いてきたが、俺はそれを振り払った。

優人「俺はお前らを親だなんて思ったことは無い。今までも、そしてこれからもな。」

そう言えば母だった人は泣き崩れ、父だった人は呆然と膝をついていた。
Aに散々な仕打ちをしておいて、自分たちには何も罰が返ってこないとでも思っていたのだろうか。
この両親だった人たちには後々証拠とともに警察にAへの非人道的な発言と行動を告発してやる。

自分でも驚くほどすっきりとした心持ちで早朝の道を歩いていく。

だが、俺は気がついてしまった。

優人「……Aはどこにいるんだ？」

思えばAがどこにいるのか聞いてないじゃないか。

優人(……Aも居場所をお兄ちゃんに言い忘れるなんておっちょこちょいだな。そんな所も可愛いんだがな。)

確か、Aは烏野高校に進学したと言っていた。
あれだけの好成績なら名門の白鳥沢にだって行けただろうに、Aは何故わざわざ遠い烏野高校にしたのだろうか？

優人(……はっ！まさか、彼氏と同じ高校に的な感じなのか！？)

どうしようか、烏野高校にまで迎えに行って隣に男が立っていたら俺は耐えられる気がしない！
いや、しかしAはあれだけ可愛いんだ。
そこら辺の、ましてや思春期真っ盛りな男が放っておくわけがない！

優人(……こ、心の準備をしてから行こう。……まずは、そうだ、相手の名前を聞いて、どういう経緯で付き合うことになったのかを尋ねよう……うん、そうだ。まずはどんな人間かを知らねば……！)

なんて、やっていたらいつの間にやら昼時になっており、烏野高校に着いたはいいが、Aはすでに登校し、授業を受けている最中ではないか。

優人(……放課後、もう一度迎えに行くか。)

仕方なく俺は少し離れたファストフード店で時間を潰すことにした。

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