女王72 ページ24
汝汪優人(兄)side
優人「Aがいない……！」
朝なかなか起きてくる気配がないな、と思いAの部屋へと行けば、中はもぬけの殻だった。
それどころか
優人「オフトゥンすらないじゃないか……！Aはオフトゥンを持って家出を！？」
部屋は誰も使っていなかったかのように、何も置かれておらず、Aが使っていた寝具すらもなかった。
母「優人ー？何してるの？ご飯冷めちゃうわよー。」
優人「え、あ、ああ……」
とりあえずリビングへと向かえば当然のように3人分しか作られていない朝食。
思わず眉をひそめた。
母「あの子昨日どこで寝たのかしらね？」
父「さぁな。あんな欠陥品がどこで寝ようが知ったことじゃないからな。」
母「それもそうね。」
優人「……どこで寝るもなにも、自室しかないでしょう。」
母と父の会話に口を挟むつもりは無かったがAに対するあんまりの言いように思わず口を挟んだ。
そしたら、母は何を言っているんだ、とでも言うような表情で
母「Aの部屋なんてないわよ。二階のあの部屋はただの空き部屋。Aの持ち物なんて全部処分したわよ。煩わしい。」
と、あっけらかんと言い放ったのだ。
優人「処分した……！？Aの私物を！？」
母「当たり前じゃない。あんな欠陥品、もし犯罪が起こされてもこれであの子との関わりを証明するものは無いもないわ。私たちは関係ないもの。」
安心して？と言わんばかりのその母親の表情に一気に怒りが膨れ上がる。
持っていた箸を机に叩きつけ、急いで降りてきたばかりの階段を駆け上る。
Aはきっと、あの部屋を見て辛い思いをしたはずだ。
その上で出ていったのなら……
優人(……精神的ショックが大きすぎて道端で倒れていたらどうする！？変な男達に絡まれでもしていたら……！心に傷を負って自分で命を絶とうなんて考えたりしてないよな……！？ああ、お兄ちゃんが今すぐ見つけてやるからな！)
頭の中で浮かび上がる様々なAの危機的状況にどんどん顔から血の気が引いていくのがわかる。
もう一度訪れたAの部屋は本当に何も無かった。
優人(……ん？)
しかし、先程は気が付かなかったが、床に1枚の折りたたまれた紙が置かれていた。
『私はもうこの家とは縁を切ります。二度と帰りません。もう私は貴方達の家族じゃない。』
その紙にはAの綺麗な文字でそう書かれていた。
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星屑(プロフ) - おしるこぉさん» コメントありがとうございます！そうです、彼こそがシスコンを極めた勘違い体質の兄です(キリッ) (2019年2月27日 22時) (
レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
おしるこぉ - 優人さん…………シスコンじゃねぇかｯｯｯ(真顔) (2019年1月24日 19時) (レス) id: 4bcefc2029 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - ☆AZUSA☆さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けたなら書き手としても嬉しい限りです。これからもどんどん勘違いが加速していきます(笑) (2018年11月24日 11時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
☆AZUSA☆(プロフ) - 初コメです！兄妹のやり取りがア○ジャッシュみたいで面白いです笑 (2018年11月7日 20時) (レス) id: a8b54384e2 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 後ろのメリーさんさん» 応援の言葉ありがとうございます！毎日待ち遠しく思ってくださるなんて……！書き手としてはこの上なく嬉しいです！たくさん更新できるように頑張ります！ (2018年9月29日 21時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星屑 | 作成日時：2018年3月27日 20時
