女王67 ページ19
母「あんな子に手術なんて……！」
救急車で運ばれたAはすでに呼吸が停止しており、緊急手術が行われた。
両親の同意を取っている時間などなかった。
しかし、両親はそれにより命を取り留め、挙句の果てに自分たちが手術代を払わなければいけないことに憤慨していた。
優人「……」
俺が両親を見放したのはきっとその時だ。
血の繋がりという最低限の愛も存在しなくなった。
俺にとって家族はAだけだ。
A「……ねぇ、にぃに。Aの髪の毛ね、変な色になったの。」
優人「えっ……」
しかし、Aは以前のような健康体に戻れることはなかった。
聴力も失い、脊髄に損傷を残したため、メラニン色素を上手く体内で作ることが出来ず、日光に当たることも人より出来なくなった。
そして、俺と同じ黒い髪も、俺と同じ黒い瞳も、徐々にその色を変えていった。
俺のせいだ。
だから、俺が守ってやらなきゃ。
そう思った。
両親は毛色の変わったAをより毛嫌いするようになり、同じ家の中にいることすらも嫌がった。
俺が中学生となり、部活で帰りが遅くなると、俺が帰ってくるまでずっと庭に繋がれていることも多くなった。
そして、Aが中学生になったころから、Aの様子が変わり始めた。
元々口数が少ない方ではあったが、以前よりもほとんど話さなくなった。
そして、めったに家に帰ってこなくなった。
俺はその頃から大学生となって東京に一人暮らしを始めていたので、Aを一人あの両親の元に残すのは不安だったため、家に帰ってこないという事を聞いて、少し安心した。
しかし、Aはどこで寝泊まりしているのだろうか。
ちゃんと飯は食っているのだろうか。
辛い思いはしていないだろうか。
それだけがやけに気になった。
長期休暇となり、家に帰ってきたときもAは家にいなかった。
せめて、1目確認したくて、俺はそこら中を探し回った。
そして見つけたAは不良グループのリーダーとなっていた。
昔よりもさらに表情が抜け落ちたような顔。そして細すぎるその手足を見た時、Aの腕を問答無用で掴んで家に連れ戻していた。
ただ、心配だった。
昔よりも綺麗になったAは余計に人形のようで。
そして、何より驚いたのは両親からAの成績表を見せられた時だった。
あまりにも険しい顔で渡してくるので余程悪いのだろうと思ったら
優人「全部10……？」
10段階の成績は全て10の表記で埋め尽くされていた。
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星屑(プロフ) - おしるこぉさん» コメントありがとうございます！そうです、彼こそがシスコンを極めた勘違い体質の兄です(キリッ) (2019年2月27日 22時) (
レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
おしるこぉ - 優人さん…………シスコンじゃねぇかｯｯｯ(真顔) (2019年1月24日 19時) (レス) id: 4bcefc2029 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - ☆AZUSA☆さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けたなら書き手としても嬉しい限りです。これからもどんどん勘違いが加速していきます(笑) (2018年11月24日 11時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
☆AZUSA☆(プロフ) - 初コメです！兄妹のやり取りがア○ジャッシュみたいで面白いです笑 (2018年11月7日 20時) (レス) id: a8b54384e2 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 後ろのメリーさんさん» 応援の言葉ありがとうございます！毎日待ち遠しく思ってくださるなんて……！書き手としてはこの上なく嬉しいです！たくさん更新できるように頑張ります！ (2018年9月29日 21時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星屑 | 作成日時：2018年3月27日 20時
