役人志士(ヤクニンロッカー)3

第103話 女性として ページ7

大江戸ヘブンフェスティバル当日。
井伊の宣言通り、アタシが出る幕はないようで、慶喜と一緒に話をしたり、別の仕事をしたり、念のために護衛もしている。

慶喜) ねぇ、A。

貴) どうしたんですか？上様。

慶喜) その上様ってやめてよ。昔みたいに慶喜って呼んでよ。

そんな事したら井伊に殺されるんだけど。あいつ、異様なまでに慶喜を愛してるみたいにベッタリだし…。

慶喜) …もしかして、直弼の事気にしてる？

直弼からは予が言っておくからと言うと、呼んでくれと言わんばかりにアタシを見つめる。呼んでもいいのだろうか。もし、変なところで井伊がきたら？
そんな事ばかり考えていると頬を膨らませながらまだ〜？と見つめている慶喜を宥めた。

慶喜) ねぇ、Aは好きな人とかいるのか？

貴) 何故、そのようなことを？

すると、キョロキョロとアタシと慶喜以外誰もいない部屋を見渡す。自分たちの他に誰もいない事を確認した慶喜は、予から聞いたことを直弼には内緒だと言われた後に衝撃的な事実を聞いた。

慶喜) 直弼はね、Aが好きなんだ。1人の女性として…。

何とも不思議で仕方のない事実に平常心を保つ事も出来ず、ただただ驚くことしか出来なかった。

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