検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:7,956 hit

第107話 羨ましい ページ11

ーやっと、成仏出来ると思ったんだけど。ー

目が覚めると、そこには明らかに不機嫌な顔をしたギンくんがいました。

ーなんでアンタは、A様を泣かすんだ。ー

睨むように私を見るギンくん。泣かした覚えなどありません。それどころか、Aさんが泣いている姿は江戸に来てから見ていません。

ーははーん…。分かったぞ。自分の無実を主張しているんだな?ー

待ってください。ギンくんって、こんなにも子供っぽいような言葉を遣っていましたか?

桂) …どう言う事ですか?

ーA様、アンタが死んだ事…知ってるよ。まぁ、信じないようにまた…何か別の事情つくってるけどね。ー

桂) 別の、事情?
またという事は、ギンくんも全く別の事情で死んだ事にされているのでしょうか?

ー 違うな。俺の場合は、町娘が好きになって…その子と暮らすためにいなくなった…。と、A様の中では成り立ってる。ー

じゃあ、私はどうなるのでしょうか?私は目の前で死んでいます。身体中が冷たくなり、ただ横たわって血を流している…と付け加えて…。目の前で生存していないことが確認していない、完全に死んでしまった私を…どうするのでしょうか。

貴) ねぇ…起きてよ。し、死んだフリするなんて…酷いよ。そんなにアタシを驚かしたいなら、もっと面白い事にしてよ‼︎



涙で顔がぐしゃぐしゃに成りながらも、私が死んでいないことを信じず、もう動く事のない体をAさんは揺すり続けました。

ー羨ましい…。
泣いてるって事は、少しは死んでしまった事を認めてるって事だよね。まぁ、認めざるおえないからね…仕方ないか。ー

ギンくんが、すすり泣くような声になりながら決して私の顔を見ずにそう言うと、目の周りを赤くしながら指をさしてこう言った。

ー早く戻れ!俺のA様を…泣かすな!
(…もうすぐ、お前が強制的に返されるから)ー

桂) 相手に指をさしてはいけませ……⁉︎

謎の光に包まれた私は、そのまま全く別の場所にいました。

第108話 大好き→←第106話 忘れません



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
10人がお気に入り
設定タグ:桂小五郎 , 恋愛 , 幕末Rock
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

東雲大我(プロフ) - えっすん@厨ニ病さん» 最後までお付き合いいただきありがとうございます。な、泣きながらですか?!おお…そこまで感動作になるとは…。感動作(?)のつもりではなく、もう前作より悲しい作品書いてやろうって勢いが伝わって良かったです。文才無いのでヒヤヒヤしました(^^;; (2015年3月2日 4時) (レス) id: 8306ee9666 (このIDを非表示/違反報告)
えっすん@厨ニ病(プロフ) - お疲れさまでした!あいつら…面白ェ…のときから読んでます!最後の方は泣きながら読みました。次回も楽しみにしてます!本当にお疲れさまでした! (2015年3月1日 23時) (レス) id: a3394dd02e (このIDを非表示/違反報告)
東雲大我(プロフ) - ミルキィさん» 最後までお付き合いいただきありがとうございます。実はギンの容姿を載せようと考えております。イメージと違うな…とご期待に添えないかもしれませんが、その時はよろしくお願いします。 (2015年2月26日 1時) (レス) id: 8306ee9666 (このIDを非表示/違反報告)
ミルキィ - この作品最高です!もうギンの立場とか涙がとまらなくて幸せになれて良かったです!お疲れ様でした! (2015年2月26日 0時) (レス) id: d1d8fb6e9e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:東雲大我 | 作成日時:2015年2月10日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。