幼馴染は…【草津錦史郎】Part3

#101 決意 ページ3

あっぶなっ！何とかブラは切れなかったみたいだけど……見られてないよね？
不安と焦りで周りの情報を遮断し、1人で考えていた。

貴) それにしても、影の薄い怪人だったな。

怪人自体がちょっと透けてたし、影も見えるか見えないかくらいの色だったから、怪人になった人間からすれば、影が薄いことを悩んでるって感じかな。忘れられるもんね〜……
そんな風に怪人を哀れんでいると、不意に、キンシロウの事が頭に浮かんだ。

貴) ……決めた。

キンシロウは笑わない。だから、笑わせるんだ。作りじゃなくて、自然に。その為にはこの方法しかない。愛の王位継承者だから……とウォンバットは怒り狂うだろうが、これも一種の愛だと私は思う。

決心した瞬間に、後ろからアツシが現れた。もう怪人を倒したようで変身は解けていた。(私はその前に解けていた。)

鬼怒川) 大丈夫？

貴) ワイシャツがボロボロだ。

鬼怒川) ブレザー着てて良かったね。

貴) ブラも何とか無事。イオに見られてないかな。

鬼怒川) それは安心して。本人はAに謝りたいって。「油断しててすみません」って。

貴) 謝らなくてもいいのにね。こっちなんか突き飛ばしたんだから、おあいこでさ。

君らしい。と微笑んでから、すぐに服の話へと戻った。

鬼怒川) そうだ、ジャージ持ってくるよ。その状態じゃ、生徒会室に戻れないだろう？

貴) ああ、よろしく。使わせて悪いんね。

鬼怒川) 何言ってるんだよ。幼馴染なんだから、当然だろ？

貴) ……そうだったね。

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