幼馴染は…【草津錦史郎】Part3

#112 【嘘】 ページ14

蔵王) ひぇ……っ

そこまで読むと俺はパタリと本を閉じた。ここから先は読みたくない。という意味で。

ユモト) 主人公って、頭大丈夫なんすか。

鬼怒川) ああ、1度高所から飛び降りたんだけど、生きていたんだ。守るものも、血の繋がった人間もいないけど、だったらみんなに愛されるような人間を目指して、頼み事を快く引き受けるようになったみたい。

そう説明するとリュウは、イオの腕をギュッと強く握って震えていた。そんなリュウを見てイオは、仕方ないですね。とため息をついていた。

由布院) で？それが老神とどーゆー関係があるわけ？

エンちゃんの質問に答えようとすると、後ろから声がした。聞き覚えのあって、元気のある声のはずが、悲しげに聞こえる弱々しい声で答えた。

貴) それはね、私が愛されたいから……

鬼怒川) ……A？

振り返ると髪はボサボサで、目と俺が殴った頬が赤くなっていた(目は泣いたと推測した)。いきなりの登場にリュウは咄嗟にイオの後ろに隠れてしまった。何かの怨霊に取り憑かれたようにフラフラと歩み寄ってくるから、リュウなんて本気で怖がってる。

貴) ……なーんてねっ
みんなを驚かそうと思ってみたんだ！リュウはすっごい怖がってたな！

ははは…！と笑うAは、【嘘】をついていた。

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