アイツら…面白ェ… −幕末Rock−

第43話 羨ましい ページ45

貴) 話とはなんですか、土方さん

只今午後の10:45くらいで隊士達も寝たくらいの時間帯だ。俺は今、土方の部屋で話をしていた。

土方) 実はな、彦根で総司のソロ雷舞があるんだが…。A、行ってくれるか？

貴) なんで、俺なんですか？他にも隊士はいるじゃないですか！

嫌いな奴のお供なんて、真っ平御免だ。
最近だとあの「病弱キャラ」を出しているから正直イライラしている。それと…。

貴) あの人、最近様子がおかしい気がすんですよ。何かに取り憑かれたような…。

土方) 何かに…取り憑かれた…か。

土方は腕を組んだ。
するといきなり立ち上がり、俺の元に近づき両肩を掴まれた。

土方) お願いだ、ソロ雷舞に俺がついていく訳には行かないんだ…。頼む…ッ！

でも、俺は沖田が大嫌いで沖田も俺の事を…
あいつはよく俺に話かけるから暇潰しの相手として使っているのかもしれないな。

近藤) そのことは俺もAに頼みたい。
あいつは、俺とトシにしか心を開いていないんだ。Aにも少しずつだが開いて来ている。
だから、お願いできるか？

貴／土方) 近藤さん⁈

近藤がいきなり出てきた、そこまではまだいいが、頭を下げた。まだ入って数週間しか経っていないこの俺にだ。それを見た土方もまた頭を下げてきた。いくら龍馬達と俺からみれば敵の新選組だが、そこにいる俺から見れば二人は上司と言っても過言ではない。俺は悩みに悩んだ結果、それを引き受けることにした。

貴) わ、わかりましたから！と、とにかく、頭あげてください‼︎他の隊士に見られたら…。

なんだよ、羨ましいじゃねぇか。
こんなにも心配してくれる人がいて…。
俺にはそんなやつ居なかったよ。両親共に死んで、あの家にはこんな風に心配してくれる人なんて…。
泣きそうになるがそれを堪えた。
出発は明日の朝。早く寝ないといけない。

貴) 部屋は個室…って訳にはいかないか

第44話 気持ち悪い音→←第42話 兄妹疑惑 −龍馬side−

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す