7話 ページ9
『…？』
見たことはある気がするが、周りに対してその程度の認識がほとんどなので誰か分らない。
zm「今日は保健室やないんやな、」
『…新見先生待ってる』
あぁ、 ゾム だったか。体育の時は前髪あげてたからわかんなかった。
ふぅん、なんて返しながらそいつは僕の問題集に視線を向けた。
zm「どこに困っとる？」
周りに聞かれない程度の、優しい声。
ただの偶然か、僕を隠すように座りもせず机に手を置いて凭れた。
正直緊張は解けないが、幾分かマシになって落ち着く。
なんのために近付いたのかは分からないけど、素直につまづいてる問題を指さす。
zm「あーここな！俺もそこ何度かひっかかってん。解き方がややこしくてなぁ」
ちょっと待ってな、と彼はカバンからノートを取り出す。
ちらりと見えた中身には、落書きもあったが細かく纏めていた。
zm「ここ最近授業でやったところやから、ペースおんなじくらいやな」
おんなじなんかじゃない。授業に出てノートとることが、僕にはできない。
皆は解けるのに、分かるのに、僕はこんなのも出来ない。
…ダメだ、 また、思考がマイナスになっていってまう。
このお人好しに甘えて、今回は助けてもらおう。
新見先生にも負担かけたくないし、これでいい。
『ぁ…解けた』
説明は苦手なのか、擬音が多かった気がしたが不器用な彼の解説と彼のノートを駆使して漸く終わった。
zm「ほんまや、おつかれさん！」
まるで自分のことみたいに嬉しそうにするのはどうしてだろう
気が付けば入口の方で聞こえる ゾムー？ という声に反応して片づけを始めていた。
zm「手伝い出来てよかったわ！また今度な！！」
『っ…ぁっりが、と』
慌てて口を開くもかすれ声になってしまったが、ちゃんと聞こえたようでぐっと親指を立てて帰っていった。
丁度すれ違うように新見先生が入ってきて、我に返った僕は慌てて席を立って先生に近寄る。
『ゾム…希？って人が、教えてくれた』
せっかく呼んだのにごめん、と謝ると目を丸くして驚いていた。
ni「ほんま？彼奴いつも寝てんのにか…てかいつ友達になってたんだよ言えや」
『あ、友達ではないかな』
ni「それもそれでどうかと思うで」
そうか、ゾムがなぁ…と呟いてる先生を見上げる。
どれくらい珍しいのか知らないけど僕には関係ないし。
『てことで、帰ります。わざわざありがとうございました』
ni「おう、気ぃつけてな」
少しだけ、変われたかな
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流星(プロフ) - ミジンコのハルさん» 短い間でしたが僕にも経験がありますので、気持ちがわかるとは言いませんが、いたずらに傷つけないよう心掛けていたのでそういってもらえてこちらもほっとします。お話としてはペースが速まることもあると思いますが、ハル様は焦らずゆっくりしてくださいね。 (2022年10月8日 19時) (
レス) id: 9f0773db2a (このIDを非表示/違反報告)
ミジンコのハル(プロフ) - 初コメ失礼します！私も保健室登校している者なんですが、凄いお話に共感できて読んでいて凄い楽しくて救われてるような気がします。教室に入れる「いつか」が頑張っても来ないっていう所が凄い共感でホントに好きです…これからも更新頑張ってください！次が楽しみです (2022年10月8日 17時) (レス) @page7 id: 00a42c556d (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - 光さん» ありがとうございます！今のところ投稿頻度は安定していますが、気は抜けないので頑張っていきたいです。 (2022年10月7日 11時) (レス) id: 9f0773db2a (このIDを非表示/違反報告)
光 - 続き楽しみです！！ (2022年10月7日 9時) (レス) @page6 id: 1eb1862fc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流星 | 作成日時：2022年10月4日 23時
