ホルン系女子が行くブラック本丸＿見習い編＿【刀剣乱舞】

ホルンの音がにじゅうさん ページ25

Aside




『ひっ、酷いよ!親にさえも殴られたことなかったのに…!……いや、あったわ。殴られたこと』





一回だけあったな、確か



なんでか忘れちゃったけど、家でうえええい↑↑ゲビャアアア↑↑って叫んでたら母上の愛の鉄拳が飛んできた事があった

夏なのに見事な雪だるまができたよね。夏休みで良かった



そしてそんなわたしを冷たく、汚物のように見てくる薬研藤四郎





「おい、燭台切の旦那に何をしていた」


「だっ、大丈夫だよ、薬研くん」




うわお、美形に思いっきり睨まれてる。思いッッきり睨まれてる





『いや、だって燭台切さんが左手を見せてくれないんですもん』


「……左手?」





わたしの言葉に訝しげに燭台切さんの左手を見る薬研藤四郎


燭台切さんはそんな薬研藤四郎にばつが悪そうに目をそらした




……んん?もしかして訳有りなの?訳有りな感じだったの??(気づくの遅すぎ?あいあむ鈍感!)







「………旦那、ちょいと失礼するぜ」



「…あっ、」








…なっ!?



わたしは目の前の光景に驚からずをえなかった

目玉が飛び出るほど驚いた




…ええっ?どんだけバカ力なの?薬研藤四郎くんよ





握力３０kgのわたしでさえ開けなかった手をあっさり開いた、だと…!?


その儚げなポキッと折れちゃいそうな日焼けを知らない白いお手々なのに!?



えっ、もしかして全集中の〇吸とか使っちゃってる??


え??



思わず自分の手をグーパーと握ったり開いたり

そして薬研藤四郎の白い手と燭台切さんの男性らしい厚い手と見比べた




開こうとしたときわたし全力だったんだけどな。頑張ったんだけどな。薬研藤四郎は怪力だな





あんなあっさり…………

あんな細くて白い手に…………







『………………………』




彼等からそろそろと離れて、ちゃぶ台に置いていたパスレルちゃんを抱き締めたわたし


……神様半端ないよ、怖いよ(白目)



先ほど出来た頭の雪だるまちゃんを労り撫でながらドン引きしていると、薬研藤四郎の容姿に合わない低い男前の声が聞こえてきた





「旦那、なんでこうなるまで放っておいたんだ」



静かに、でも確かに怒りを含めたその声にわたしは何事かと振り向く



薬研藤四郎に詰め寄られた燭台切さんは、やはり、目をそらしていた






「…はあ、旦那。この指でどうやって料理をしてきたんだ」



＿左手の親指の骨が粉砕している

薬研藤四郎は目を伏せながらそう言った


　
　
　
　
　

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