51話 ページ1
ようやく手に入れた追加点。このまま逆転したいところだが、そう簡単にはいかないようだ。
「くぅっ…！」
また、相手の選手を止められなかった。身体はなんとか順応してきているようだが、それでもまだ押し負ける。己の力不足を痛感し、歯を食いしばった。
ボールがオズロックに。
「ククク…クズがいくら集まったとしても所詮はクズッ！支配者の前に、跪け！」
オズロックが身体中からオーラを放ち、もう一度変身した。
オズロックのソウルを使ったシュート。ボールは紫のオーラを纏い、放たれると同時に爆発する。
シュートの描く軌道は太く、膨大なエネルギーが放たれたのだと、視認する。俺は諦めて、目を閉じて俯いた。
「信助ーーっ！」
ベンチから、井吹が叫んできた。
「お前が最後の砦だ！止めろ！」
実にシンプルで分かりやすい言葉だったが、それが信助の力となったらしい。
「うおおお…僕だって、僕だって！負っけないぞー！」
…顔を上げてみる。もしかしたら、西園がシュートを止めているかもしれない。そんな淡い期待を胸に、ゴールの方を向いてみた。
…ゴールには誰もいない。やはりダメだったか。
待て、だがボールもゴールに入っていない！
辺りをきょろきょろとしてみたが、見つからない。
声は、予想外にも遥か上から聞こえてきた。
「銀河ロケットーッ！」
宇宙を、飛んでいる。ものすごいスピードで。シュートを頭で受け止め、そのまま上昇しているのだ。
待て待て待て！？色々ぶっ飛びすぎだろぉ！？
心の中でそんなツッコミをしている間に、西園はボールをヘディングで、グラウンドに向かって叩き落とした。
ボールは俺達側の触覚の生えたMFに。よくあの高さからのボールを軽々とトラップできるな。
「マッシュルームホップ！」
きのこをぴょんぴょんと跳ね回り、最後の謎の爆発で相手を翻弄する技だ。最前線にいた白黒のうちの白にパスがいった。
「ジャッジメント・レイ！」
相手のDFの必殺技である赤いレーザーが、そいつに放たれた。
それに対抗してか白い奴がソウルを使い、どこかチーターみたいな見た目をした動物？に変身した。
爆発とレーザーを駆け抜け、2本の尻尾でボールを十字に斬りつけ、シュートを撃った。
相手のGKもソウルを使い、触手をシュートに叩きつけたが、シュートが手中に収まる事はなかったようだ。
3点目。俺を除いたギャラクシーイレブン全員が、ゴールを喜んでいた。
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作者名：名無 | 作成日時：2022年1月17日 22時
