45話 ページ45
イクサルフリートのDF陣が、目の前に立ちはだかる。神童は目の前を転がっていたボールを止めた。
「貴様らなどに、我らの悲願を邪魔させはしない！」
相手のDFが、神童に向かって走り出している。…ってあれ、よく見たらたしか、案内役っぽいあの…
神童と対峙しているそのDFは、案内してもらっている時には見たことがない表情をしていた。目つきは鋭く、側から見ている俺が睨まれているように思えた。
「敵の狂気に立ち向かえる感情…それは狂気をも理解し、乗り越える心の力…！貴様らの狂気に呑み込まれてたまるかぁ！」
神童って「貴様ら」とか言うキャラだったっけ？あいつと全然関わってないから知らん。
指揮者のような動きを始める神童。ついにお前も狂気に呑まれたかと思ったが、そうでもないようだ。
虹色の譜が、神童を囲む。ソレが円を描いた瞬間、ボールを踏みつける。
「何っ！？」
綺麗に漂っていた譜は弾け、相手を吹き飛ばした。同時にピアノの音も聞こえた気がする。
「瞬木！」
DF陣の間を縫うパス。瞬木は上手くボールをトラップできたようだ。
…だが、相手も早い。あと少しでGKと1対1を挑めたが、DFが瞬木に追いついた。
「瞬木！一人でゴールを決めようと思うな！みんなと連携していくんだ！」
「連携していてもヤツらを出し抜けない！『連携する』こと自体がチームの状況判断を遅らせている！」
瞬木が、相手のDFへと突っ込んでいく。そこに剣城がいた。
「瞬木。たしかに、敵のスピードについていけるのはお前だけだ。だが、敵の動きに反応できるのはお前だけではないはずだ」
「何…？」
瞬木が止まった。ピタッと。
「そうか…そういうことか…」
いやどういう事だよ。何分かったような顔してるんだよ。
「いいぜ、乗ってやる！ただし、俺の足を引っ張るなよ！」
瞬木が剣城にヒールパス。剣城はそれをダイレクトでシュート…いや、瞬木に向けたパスだ！
だんだんと加速する瞬木。ボールは上に曲がり、彼もそれに乗じて高く飛び立つ。
正直どうしてパスの軌道が上に向くのか分からないんだが…ここの重力どうなってんの？
「ブラック、ドーンッ！」
空中から、超速のシュートが放たれた。GKも反応こそするが、ボールを止める事ができなかったようだ。
同点弾。これで振り出しに戻った。アースイレブンの活気も戻ってきているようだ。
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名無(プロフ) - 星猫さん» 初めまして！お褒めの言葉と高評価、ありがとうございますっ！ (2021年9月8日 19時) (
レス) id: 91adb283d3 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして！とっても素敵ですね！高評価しました！ (2021年9月8日 18時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無 | 作成日時：2020年2月18日 20時
