＊２＊ ページ8
「そうか。まさか椿の下位吸血鬼に襲われていたのを助けた訳じゃないだろうな？」
紫色の髪の男の子が真昼兄ィに問う。
その声は少し冷たく感じてビクッとしてしまった。
「あぁ。違うよ
A、大丈夫。
この人は、有栖院御園。
悪い人じゃないから怖がらないでいいからな」
そうだ……真昼兄ィのお友達なんだから。
失礼なことをしてしまった……
『う、ん
あのっ百夜A、です……
御園さん……よろしく、お願いします。
その、さっきはご、ごめんなさぃ……』
バッっと頭を下げると
「いいんですよそんなに謝らなくても
御園は少し緊張していただけですから。」
と優しそうな声が聞こえた。
頭を上げれば、そこには高身長の声のイメージにあった優しそうなお兄さんがいた。
「なっ!!リリイ！余計なことを言うな！
……はぁ、改めて有栖院御園だ
さっきは……怖がらすようなことをしてしまって
その……すまない……
この男は僕のサーヴァンプ。色欲の真祖"
そう言って御園さんが紹介したのはさっきのお兄さんだった。
どうやらお兄さん……スノウリリイさんはクロちゃんの兄弟らしい。
……と言うことは吸血鬼な訳だ。
そう。吸血鬼。
でも真昼兄ィが御園さん達は悪い人じゃないから怖がらなくていい、と言った。
ここでビクビクしていたら真昼兄ィを疑うことになってしまう。
それだけではない。
御園さんや、スノウリリイさんを傷つけてしまうかもしれない。
それに吸血鬼は皆一様に人を傷つける訳では無い。と、この数日でクロちゃんを見て思った。
だから…大、丈夫……
「A平気か？
やっぱり吸血鬼は……」
『大丈夫だよ。真昼兄ィ
……スノウリリイさん、はじめまして
百夜Aです。よろしくお願いします！』
心配した真昼兄ィが声をかけてくれたけど、
よかった、ちゃんと言えた。
「よろしくお願いしますねAちゃん
あと、スノウリリイなんて長くて呼びずらいでしょう。
リリイでいいですよ。」
『あっハイ！
じゃあ……リリイ……さんでいい……です、か？』
おずおずと聞けばリリイさんはにっこり笑って
もちろんです
と言ってくれた。
やっぱり怖がらずに挨拶してよかった！
ここにはいい人が、いっぱいいる
私の挨拶が終わったところで、真昼兄ィが
あれ？鉄はまだ来ていないのか？
と言った。
鉄……さん？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 66人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
泡雪(プロフ) - 花実さん» お返事ありがとうございます！楽しみにしているので、頑張って下さい！ (2016年10月23日 11時) (
レス) id: 555ba12928 (このIDを非表示/違反報告)
花実(プロフ) - 泡雪さん» いつも読んでいただきありがとうございます！夢主ちゃんは二つの世界の行き来をしているので彼女だけ時間軸が異なります。なのでこのままです。正直に言うと作者が夢主ちゃんの体の戻し方でいい案が浮かびません(・・;)拙い文章ですがこれからもよろしくお願いします！ (2016年10月23日 10時) (レス) id: 8b689866c2 (このIDを非表示/違反報告)
泡雪(プロフ) - 初めまして、泡雪と申します。この作品大好きでずっと読ませてもらってます。すいません質問です。夢主ちゃんは、幼児の体から優くん達と同じ体に戻ったりするんでしょうか？ネタバレ発言になってしまうので良ければ教えて下さいすいません。 (2016年10月23日 10時) (レス) id: 555ba12928 (このIDを非表示/違反報告)
花実(プロフ) - シオンさん» 読んでいただきありがとうございます！作者の中のイメージは、吸血鬼や鬼は高位の方が幼い姿をしていると思っているので、幼い男の子の姿をしています。ちなみに周りには鬼火が飛んでいて、その鬼火が狼に姿を変えます。具現化させた時に出てくる狼と鬼火はこれですね (2016年9月5日 17時) (レス) id: 09baacfad3 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - リンちゃんはどんな姿をしているの? (2016年9月5日 14時) (レス) id: af056c570d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花実 | 作成日時：2016年8月27日 21時
