【終わりのセラフ】絶望のトンネルの先に【SERVAMP】

＊１１＊ ページ25

「へぇ……これで壊れないのか
……やっぱり君は面白い、僕の見込んだ通りだね」

『私はね……家族に……会わなくちゃいけないんだ
だからね、すぐには壊れてあげないよ』

ニコッと笑って言う

「そうか……でも僕はそういうの、嫌いだな……
さっきも言ったけど鬼は愛が嫌いなんだ」

『愛を知らないから？
それなら私が愛してあげる』

「……僕らは欲望しか餌になりえない」

『なら私の愛を欲望にしようか？』

「ははは……面白いね、いいだろう。
まだ君に従ってあげるよ」

『従うなんて言わないで……ね？
私はあなたの家族だから』


.*･ﾟ .ﾟ･*.


そこで目が覚めた

「A！大丈夫だったか？」

『優兄ィ！ただいま
みんなも』

「で？どんな力を手に入れたのか見せてくれよ！」

優兄ィは力に貪欲だなぁ……

『うん、もちろんいいよ！

……リンちゃん、力を貸して』

銃を構え、名前を呼べば力がみなぎってくる。

『すごい……こんなに力が……！

リンちゃん、……ドン』

撃てば緑色の鬼火を纏った狼が群れになって銃から放たれる。

「Aお前すっげーな！」

『優兄ィ……えへへ……照れるな〜
これが、私の…力…』

「Aちゃんはどうやら具現化タイプのようですね」

「おいシノア、その説明Aにしていなかったのか？」

と、シノアさんと三葉さん。
具現化タイプとはどういうものだろう？

「鬼には二つのタイプがあるんだ
鬼を外に出して特殊能力を使わせるタイプと
鬼を自身に憑依させるタイプ
の二つ
お前は具現化の特殊能力を使わせるタイプだろうな」

と君月さんが説明をしてくれた。

「なっ……君月！私達を差し置いて説明をするな！」

「まぁまぁ……
でもAちゃんはすごいね！
まだ鬼と仲良くなって短いでしょう？」

三葉さんが君月さんに食ってかかるのをなだめた与一さんに褒められた。

『リンちゃんが私に心を少しづつ開いてくれるといいなぁって思ってたらなんかできました……！』

「そっか〜
僕も鬼とは仲良くなりたいな〜って思ってよくお話してるんだ」

そういう与一さんはなんだか楽しそうでいいなーって思う

『与一さんは鬼と仲がいいんですね』

「うーん……そうだといいな」

与一さんは謙遜しすぎるのが悪いところだと思う

「与一は訓練なしで鬼を外に出したんだよな」

と優兄ィがなぜか誇らしげに言う

『なんで優兄ィが誇らしげなの？』

「あははっ」

みんなで笑い合うこんな日が続くといいな……

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