【終わりのセラフ】絶望のトンネルの先に【SERVAMP】

＊３＊ ページ17

「は？……何言ってるんだよ？」

優兄ィは目を丸くしている。

『それにね、さっきまで普通の街に居たのに、
道を抜けたらこんな事に、なっちゃってて……

優兄ィ……助けてくれてありがとう……』

私は混乱する頭で感謝の言葉ともう一つ疑問に思っていることを話した。

「こんにちは
私は柊シノア。優さんの仲間です。
貴女に聞きたいことがあるのですが、答えてもらってもいいですか？
もちろん答えたくないことだったら答えなくても結構です。」

御園さんよりも薄い紫の髪色のお姉さんが私に話しかける。

私は優兄ィに抱きついたままこくんと頷いた。

「A、そんなに警戒しなくても大丈夫だからな」

『うん……』

「では、一つめ。貴女のお名前はなんですか？」

名前……そういえば自己紹介をしていなかった。

『百夜A。10歳』

「じゃあAちゃん、
Aちゃんはここに来るまでの1ヶ月間どこで誰と生活していましたか？」

『えっと……真昼兄ィとクロちゃんと一緒に居て、
真昼兄ィの家で居候してました。』

そう言えばシノアさんは

ありがとうございます

と言って、質問は終わった。

『ねぇ、優兄ィ
あの人達は一体誰？

シノアさんは優兄ィの仲間だって言ってたけど……
他の人は？』

そう聞けば優兄ィは全員の紹介をしてくれて、
最後に

「みんな俺の新しい家族だよ」

そう言って笑った。

そっか……優兄ィにも大切な人達がいるんだ……
よかった。優兄ィ、優しいもんね


一方、優兄ィ以外の人はひとつに集まって何か話し合いをしている。
きっと私のことだろう。

『私、怪しがられてるのかな……』

そりゃそうだよね……
優兄ィ達から見れば素っ頓狂なことを言い出しているんだから。

「そんな心配すんなって！
あいつらはお前を見捨てたりなんてしないから。」

『うん！家族を……信じるよ』



「Aちゃん、貴女をしばらくの間私達シノア隊が保護します。」

って事は……

『私…優兄ィといられるの……？』

「あぁ！」

『……みなさん、ありがとうございます！』

その後改めて自己紹介とこの世界について教えてもらった。

みんなが日本帝鬼軍という組織で吸血鬼殲滅部隊の花形、月鬼ノ組で日々活躍していることや、今は新宿の都市防衛任務中なんだとか。


.*･ﾟ .ﾟ･*.


新宿にやってきた。
まずは上官に私のことを紹介しないといけないらしい。

立派な建物…ここの執務室に"グレン中佐"がいるという。
どんな人だろうか？

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