story-005 ページ7
「そ、れは…」
喰べられる、以外の選択肢が頭から出てこない。
「もしかして、今から食われるとか思ってる？」
何も喋れないでいると、うらたさんはククッと喉を鳴らす。
「…あながち間違いではねぇけど、」
と言って
私の首元から服の中に手を滑り込ませ、肩にかかった服を脱がす。
「(た、食べられる…！)」
半分その状況を諦め痛みを待つ。
「不正解、だな」
「ま、助けてやったんだし。…礼くらいはもらうから」
彼が、私の首元をがぶりと噛んだ。
「い"ッ…!?」
首に激痛が走る。
あまりの痛さに何も考えられなくなる。
意識を手放しかけた瞬間、彼が私から口を離した。
「はッ…うま。やっぱ格別だな。お前の血。」
そう言って口元についた血を拭う。
癖になりそう、と呟きながら
驚きで反応も示さない私の頭を優しく撫でる。
「…なぁ、提案なんだけどさぁ」
頭を撫でていた手をするりと頬に移動させる。
「俺をここに置け。で、定期的にお前の血をよこせよ。」
「え…」
そんな、なんて横暴な。
というかこれは提案っていうか命令では…
「もし、この条件飲んでくれるなら、これから先、俺がお前を守ってやるよ。」
守ってくれる。って言うことは、あの怪物がまた来ても、彼が守ってくれるっていう、
「…契約、というやつですか？」
「…、…そうだな。」
契約、とい言葉に一瞬動揺したように見えたが
気のせいだろう。
「で、どうなの」
「えっと…。」
痛いのは嫌だ。
さっきの激痛をまた受けると思うと、頷くのを躊躇してしまう。
けどきっと、この提案を断ってしまうと私はきっと明日にでも襲われて"死んでしまう"だろう。
でも、この人が守ってくれるのなら
うらたさんが強いのは、あの一件から学習済みだ。
そんな人が居てくれるなら。
「…よろしくお願いします」
どんな条件でも、飲まなければならないのだ。
「は、まぁお前にとってはいい条件だろ」
そんなこんなで、人間ではない彼と契約を交わしてしまいました。
＊＊
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青花 - 本編完結(?)おめでとうございます！！番外編も楽しみにしてます！！ (2018年10月11日 0時) (
レス) id: 1d359370ef (このIDを非表示/違反報告)
ネージュ(プロフ) - 完結（？）おめでとうございます！番外編待ってますねー！ (2018年10月10日 21時) (レス) id: 4cedcbaa5d (このIDを非表示/違反報告)
カナリアの花(プロフ) - 青花さん» コメントありがとうございます。この小説にあまり自信がなかったので、そう言ってもらえて嬉しいです!完結までお付き合いいただければ幸いです。 (2018年9月26日 0時) (レス) id: cbcbd18a18 (このIDを非表示/違反報告)
青花 - コメント失礼します！この作品が投稿されてから読んでます！とってもおもしろいと思います！コメントをするのが遅くなってしまいましたがこの作品とても好きです！これからも頑張ってください！！応援してます！ (2018年9月24日 22時) (レス) id: 1d359370ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カナリアの花 | 作成日時：2018年9月11日 18時
