story-012 ページ14
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彼との距離はもはやゼロに等しい。体をぴったりとくっつけていて、逃げようにも逃げられない。
というか首に手を回され膝に彼の太ももが乗せられほぼ馬乗り状態であるのに、ここから抜け出すなんて不可能だ。
「…男？」
「…ま、まぁ」
まぁ厳密に言うと、男2人と女2人で出かけていたんだけど。
うらたさんは はぁ… とため息をひとつつくと、私の首元に顔を寄せる。
すんすん、においをかいでいる。
彼の吐息が首元にあたり、なんだか擽ったい。
「う、らたさん……？」
「…知らない、こんなの」
「くさい、Aのにおいじゃない」
そこでようやく、"くさい"の意味がわかってくる。
「……ほかの男の匂いつけてくるの、やめろ」
「……っ」
低い声でそう告げ、
私の首元を、血が出ない程度に甘噛みする。
そして首元に浅いキスを何度か繰り返す。
それが妙にこそばゆくて「んっ…」と甘い声が漏れる。
彼を遠ざけようと右手を上げ彼の肩に手を置こうとするが、その前に彼の尻尾が手首に巻きつき、振りほどけず抵抗の術を完全に失う。
「…らた、さ…っ」
「……ん、…ちゅ」
体が熱くなる。自分の息をするリズムが狂い、はぁ と深く熱い息をはく。
すると、うらたさんはそっと顔を私から離すと
力を無くしたようにぐったりとしている私を見て恍惚とした表情を浮かべる。
「ふふ。…次くさい匂いつけてきたら、これ以上のことするからな」
私は黙って頷くことしか出来なかった。
＊＊
「あれがあの、幽霊船の船長かァ？」
「あァ。呑気に女連れてやがるぜ」
「へへ、船長の弱点…見っけ。」
不穏な風が吹いていた。
＊＊＊
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青花 - 本編完結(?)おめでとうございます！！番外編も楽しみにしてます！！ (2018年10月11日 0時) (
レス) id: 1d359370ef (このIDを非表示/違反報告)
ネージュ(プロフ) - 完結（？）おめでとうございます！番外編待ってますねー！ (2018年10月10日 21時) (レス) id: 4cedcbaa5d (このIDを非表示/違反報告)
カナリアの花(プロフ) - 青花さん» コメントありがとうございます。この小説にあまり自信がなかったので、そう言ってもらえて嬉しいです!完結までお付き合いいただければ幸いです。 (2018年9月26日 0時) (レス) id: cbcbd18a18 (このIDを非表示/違反報告)
青花 - コメント失礼します！この作品が投稿されてから読んでます！とってもおもしろいと思います！コメントをするのが遅くなってしまいましたがこの作品とても好きです！これからも頑張ってください！！応援してます！ (2018年9月24日 22時) (レス) id: 1d359370ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カナリアの花 | 作成日時：2018年9月11日 18時
