ワケあり少女5！ (ページ6)

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六話ページ6

『、、、。』

カチ、カチ、カチ、カチ、、、。

時計の針の音が妙に大きく聞こえて耳障り。
セナの話を聞いた後。
どうやって家まで帰ってきたか覚えていない。
ただ、わかっている事実をつらつらと並べるように話すセナの声がしばらく離れなかった。

ーあいつの母親、日本人じゃねぇんだよ。ー
ー言うこと聞かなきゃここから追い出すってさ。ー
ー汚ねぇよな。ー

、、、妙に綺麗な色してるなーとは思ってた。
私の髪と同じだったんだね。
染めても付かない色。
どんなに似せてみても。
本質が違うんだ。

ー所詮人の価値は人がつけるものだろ？ー
ー俺だって、あいつだって。何も違わねぇよ。ただ、あいつの方が早かっただけだ。ー

わかってる。
わかってるわセナ。
私だって来る可能性がないわけじゃないわ。
いつかは辿るかもしれないんでしょう？
私も、セナも。

綾は少し早かった。

、、、その言葉で片付けられたらどんなにいいだろう。
いつだか聞いたような覚えのある言葉。

ー金持ちっていいよなー。ー

、、、どこが。
こんな位置が欲しいならあげるのに。
ぁ、綾は金持ちなわけじゃないわね。

『、、、土曜、かぁ。』

重力のままに体をベッドへ預ければ、ぼすっ、と鈍い音を立てた。