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三十三話 ページ33

蓮side


バンッ、と音を立てて開いた扉。


あぁ、もう来たのか、なんて思った。
下の奴らはいきなり開いた扉に殺 気出しまくりだけど。


「蓮!!!!」
「なに、うるさいんだけど。」


俺に一番に話しかけてきたのはアイツ。
黒い髪と黒い瞳。

もう1人とは、ある意味正反対に近い純日本人の顔。


「ここに、Aいるんでしょう?!」
「、、、。」


切羽詰まった声でそう問われる。
Yes、と。

そう答えるつもりはあったんだけど。


「、、、。」

少しドギマギしながら立っている颯太を視界に入れて、そうは言えないなと思った。

かと言って、、、。


「的場蓮、嘘とかついてねぇよな?」

まさかAさんの事で嘘とか、な?


俺がここでいないなんて言ったら確実にこいつが面倒だ。



、、、まぁある程度の時間は稼いだし、匿ったし。
俺としてもさっさと正常状態に戻って欲しいのは山々なので。


「裏口から出てった。」
「蓮さ、」
「さっさと追えば?アイツだって、」


結局それ待ってんでしょ。


そう言えば、アイツを逃した2人も口を噤んだ。


「あぁ、」


悪いな。
なんて。

大事な姫は手の中のくせに、まるでその姫がいないかのようにあいつらは走り出した。




、、、ホント、バカだよね。



「偽物の姫にこんなことするわけないでしょ。」



さっさと元通り、平和ボケな日常にもどんなよ。



、、、泣かれたって、迷惑なだけだから。

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作者名:ヒヨコ | 作成日時:2014年12月26日 22時

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