三十一話 ページ31
瞳side
しん、、、と空気が張り詰める。
そんな中。
「、、、僕もさー、何か言えるかなんてわかんないけどさー。」
優斗の相変わらず空気を読まない間延びした声が聞こえた。
「それでもさー、Aちゃんは僕の事だ助けてくれたし横を歩くって言ってくれたしー。」
今度は手を差し出したいんだー、僕ー。
優斗は、自分の手を見つめるようにしながらそう呟いた。
「俺も、Aには助けてもらったからな〜。」
恩返ししねぇとな〜。
奏も間延びした声で言う。
「、、、俺だって辛い事させたしな。」
綾も、珍しくしおらしい声で言う。
「勇太、俺たちはとにかく今Aちゃんに会いたいんだ。」
陽平の決断した声。
「、、、勇太。」
頼む、と。
昴がすがるようにそう言うと、勇太はふっ、と顔を緩めた。
「わかりました。Aさんはここです。」
そして、彼の携帯を見せた。
、、、ん？
「、、、姫月が来てる？」
ってこれ、
「うわー、的場蓮のメアドじゃんこれー。」
「なんで持ってんだよ勇太〜。」
そう。
送信元が蓮なのだ。
、、、え、紅明にいるの。
「Aさんに何かあると困るんで、貰ったんです。」
そう言いながら、玄関に歩いていく勇太。
「行かないんなら俺だけで行きますけど。」
振り返ってそういった勇太に、慌ててついていく。
、、、ねぇ、A。
さっき勇太には、言わなかったけど。
私はあなたにあったら言おうとしてる事、たくさんあるわ。
「、、、待ってなさいよ、A！」
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作者名：ヒヨコ | 作成日時：2014年12月26日 22時
