誘拐 (ページ10)

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ずっと会いたかった子ページ10

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樹side

今朝、仕事でちょっと外に出なければいけなかった。

さすがに昨日の今日なら逃げられるんじゃね？
いや、あいつのあの感じなら逃げないだろうけど。

とりあえず日用品揃えてあげないといけないから
それも合わせて、情報屋の北斗に頼んだ。

prrr…

樹｢あ、もしもし北斗？
あのさ、俺女の子拾ったんだよね、Aって子。
高校生くらいの長髪で、たぶん虐待されてた｣

北｢あー。あの子ね、やっと会えたんだ｣

樹｢は？やっと会えたってどういうこと？｣

北｢え、何も聞いてないの？Aちゃんの名字も？｣

樹｢だって虐待なんかされてたら言いたくねえだろ｣

北｢まあ、それもそうか…
前にさ、お前の家族のこと言ったじゃん？｣

樹｢あー。殺しにいくだろうからって
あんま言ってくれなかったやつな｣

北｢根に持つなって、そいつの娘。
お前の妹にあたる子だよ、Aちゃんは。｣

樹｢は？アイツら俺を捨てただけじゃなく
その後虐待までしてんのかよ、っざけんな｣

北｢だからさ、
Aちゃんのこと大切にして欲しいんだ｣

樹｢まあ、分かったよ。あと日用品。
服とか俺わかんねえから北斗頼んでいい？｣

北｢了解、テキトーに持ってくね｣

たまたま拾ったAが妹だったなんて。

以前親を殺しに行こうとしたら娘が居ることを知った。

その子はちゃんと愛されているだろうと思い、
妹の為に両親を殺してなかった。

そんな妹に虐待？ふざけんな

イライラしたまま
昨日から置きっぱなしの死体を埋めに行った。

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