私も自分の未来を考えてやるんだってそろそろ言ってもいいよね？【Free!】 (ページ12)

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わかるよ？ページ12

ぼんやり。
一言で言うならそんな日々が続いていた。

自分でじっくり吟味してお金のことも心配ないと言ってもらえて選べた大学の講義は学ぶことがたくさんでとても満足してる。

将来のことは不安もあるけど、新体操を生かせるスポーツ医学も学べるこの環境にとりあえず心底ほっとしてるのは事実だ。
(おかげさまで講義数がとてつもなく多いけれど。)

元々色々ごちゃごちゃ考えるタイプではあったし、それでもなんとかここまでこれたんだから今回も大丈夫なはず、だけど。

『なんか、シャキッとしないんだよね。』

はぁ、とまた１つため息をついてしまった。

ところで。

『また見つけてしまった、、、。』

赤紺緑。
惜しいギリギリ信号色にならない！

そんなバカなことを考えるくらいには私は今彼らに会いたくないらしい。
じゃあ誰なら会いたいんだって話だけど。

『なにしてるの、3人とも』
「！A！！そうだ！ここAの大学でもあったんだ！」

『、、、わかってはいたけど私に会いにきたわけではないわけね。』

やれやれ。
そう顔に出せば慌てふためく3人に、ちょっと心が凪いだ私は嫌なやつだろうか。

『あ、ごめんなさい。話してたんだ。』
「いや、大丈夫。俺は用事があるのにこいつらがうるさくて。」

3人に隠れて見えなかった金髪男子は、なんだかちょっと嬉しそうに言った。
次の先約のために早くここを離れたかったのかもしれない。

「いやさ、郁弥に会いにきたんだけど場所がわかんなくて。」
『大体の場所ならわかるよ？』

さらっとそういえば、彼らは一様に驚いた顔をした。
、、、なぜか金髪くんも含めて。

『だって私の学部の校舎はこっちだけど、それ以外の２つの学部は基本あっちの校舎だから。とりあえずあっち行くべきだよ。』

すぐそこに見える大きめのオレンジレンガの建物を指させば、なるほど、と納得したようで。

「よし！行くぞ！」
「あ、待ってよ旭ー！」
「いくぞA。」

旭を先頭に走り出した。
、、、ねぇ遙、なんで私の手を掴むの？
私もいくの？？？
私の用事は無視なの？

いろいろ思うところはあったが、私も自然と彼らの仲間に入れてくれてると思えばそれも口から出ず。
この後の予定なんて食材の買い出しくらいだから、とりあえず流れに従うことにした。

、、、まさか結果あんな嫌味な奴に会うなんて思ってもみなかったけど。