無口なワケあり少女はキセキに気になられてるみたいです。 (ページ20)

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練習。ページ20

ダムダム、、、。
キュキュッ。

ステージに座り、みんなを眺める私。

人、ボール、ゴール。
耳で感じられる声、音。
肌に触れる蒸し暑い空気。
ボールをついたり走ったりするたびに体に伝わる振動。

全てがとても懐かしく。
全てがとても苦しかった。

走り出したくなった。
ボールをついて、好きにバスケをしたくなった。

でも、朱や。
白黒なそのボールが私をそこにとどめてた。

「どう？」
『っ？』

急に声をかけられて振り返る。
するとそこにはたくさんのスポーツドリンクを抱えた桃井さんがいた。

桃「みんな上手でしょ？」

ふふっ、と笑いながら彼女はそう言った。
その笑顔はどこか少し誇らしげで。

『、、、えぇ、そうね。』

私は、そう返すしかできなかった。
走り過ぎて行くたくさんの人々。
苦しくて、肩で息をして。

、、、それでも、続けてる。
頑張ってる。

それが、羨ましくて。
私は目を細めた。