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「1週間は日本から出ないつもりだったのに、、、」
個人ヘリの中で何度目かのため息。
愛する日本、一応我が祖国。
平和な空気に満ち溢れたそこを、電話からたった2時間で後にするなんて思っても見なかった。
「賄賂か?これは。」
お気に入りのお店のお高い紅茶シフォンケーキ。
ご丁寧にお高い紅茶とふわふわの生クリーム付きだ。
こんなので騙されない、と思いつつも得した気分になってしまうのだから世話ない。
またしてもため息をつきながら、タブレットで「今回の」自身の情報を確認する。
「医師、ね。だから私なのか。」
明確に医師免許を持っていて今手が空いているのが私だけだということだろう。
名前が、、、
「、、、安室ゆゆ、か。」
ウルク部隊の上層部の軍人2名にのみ自身の素性を明かす、と。
「全然休暇じゃないじゃない。」
自身を偽ってすごく日々の、どこが休暇だ。
はぁ、と息を吐いて、長い空の旅を寝て過ごそうと目を閉じた。
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ふと目を覚まして時計を見る。
どうやら思っていたより長い時間寝て過ごしてしまったようで、少し苦笑い。
そろそろ着く頃だろう、と窓の外を見れば。
眼下には綺麗な海と山々が広がっていて、思わず感嘆した。
ウルクとは、こんなに綺麗なところなのか。
「んー、まぁ休暇の一部にしてもいいかな。」
なかなか見れない絶景に、すっかり絆されて。
操縦士の「あと10分」の声を聞き、身支度を軽く整えたのだった。
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作者名:ヒヨコ | 作成日時:2021年1月17日 21時