太陽の末裔途中まで書いた。 (ページ7)

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「、、、綺麗。」

崖からでも視界いっぱいに海が見れる。

あれから、各々自己紹介をしてもらい名前を覚え。
ひとまず今日の残りの時間は自由にゆっくり過ごしていいことになった。
ありがたい。
これでも一応休暇中なのだ。

〈韓国語、喋れるようになったんですね。〉
「っ、」

崖に座り込んで、チフン(そう呼んでくれと言われた)がくれた紅茶を飲みながらぼんやりしていたら、突然至近距離で話しかけられたものだから。
一瞬手が黒光りする私の相棒へと伸びそうになったけど、

［ストップストップ！！］
［ユ・シジン大尉？］

その手がそいつを掴む前に、目の前に回った人がハンズアップした。
この人何やってるんだろう。

〈何してるんですか、びっくりします。〉
〈僕もです。まさか声をかけて銃を向けられそうになるとは思わなかった。〉

最近の女性は怖いな。

相変わらずの軽口に、思わず睨みつけてしまう。
あぁ、これだから可愛くないってのに。

心の中でため息をついていたら横に彼が腰を下ろした。

「、、、大尉のくせにサボっていいのかって。」
［大尉だからですよ。］

思わず彼を凝視する。
今この人返事した？
ぼそっ、と呟いたその言葉は確かに日本語だったのに。

［なに、間違ってた？］
「、、、いえ、正しいです、けど。」

彼が韓国語で、私が日本語。
奇妙な構図が出来上がって。

「話せましたっけ、日本語、」
［いいえ。あなたも、話せましたっけ、韓国語。］

「、、、いいえ。」

可愛らしい発音に対してなんて不細工な声色と音だろうかなんて思いながら返事を返した。
すっかり冷たくなった紅茶を口に運ぶ。
不思議だ。
最初見たときはあんなにぐらついたのに、今はむしろ穏やかな気分でいられる。

［メディキューブの他にも目的が？］
「まぁ一応。でも私今休暇中なんですけどねぇ。」

はぁ、とため息を吐けば、隣の彼が私を見た。

［休暇中？まさか、これで休暇を取っていることに？］
「えぇ、多分。」

信じられないな、なんて憮然として彼が言うものだから。
思わず少し笑ってしまった。

あぁ、今のうちに聞いてしまおうか。

「ねぇ大尉、｛こちらスヌーピー。ビッグボス、本部より連絡あり。お戻りください。｝

サザーッ、となった無線から発せられた音に自然と目を合わせる。

「厄介ごとじゃなければいいけれど。」
［予言しようか？厄介ごとに決まってる。］

ひとまず私はメディキューブへ。
彼は軍の拠点へ。

振り返らず、走り出した。