太陽の末裔途中まで書いた。 (ページ4)

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到着して、ドアを開けて。
平然と歩いて、挨拶をして。
偽の名前、経歴を淀みなく伝えたけれど。

本当は、ヘリに戻りたいくらいの衝撃を受けてた。

〈中隊長、ユ・シジンです。〉
〈副隊長、ソ・デヨンです。〉

無駄のない動き、はっきりとした声、まっすぐ前を見つめる瞳。
ここではこの2人が。
私が唯一CIAであることを知る人たち。

その、片割れである中隊長。
、、、ユ・シジン。
又の名をビッグボス。
8年前、私の人生初の告白を受けた人。

あなたが、何故ここに。

こちらへ、と案内されるがまま。
他の方々への挨拶もそこそこに、私は建物内へと足を進めた。

〈初めまして、CIA諜報員の柄本Aです。〉
〈上士、ソ・デヨンです。〉
〈大尉、ユ・シジンです。〉

日が遮られ、いくらか涼しい室内で2対1で向き合う。
凛々しい顔をしたソ・デヨンさんと握手を交わし、彼へと視線を移す。

［お久しぶりです、ビッグボス？］
［、、、あぁ、8年ぶり、くらいか、］
［えぇ。、、、ライアン一等兵の時以来ですから。］

あえてそちらで話を進めれば、いくらか安心した顔をした彼に少し心が痛んだ。
彼にとっては思い出したくないことなんだろうってことはわかるけれど。
この人なら、それを表に出さないことだってきっとできるのに。
惚れるな、という牽制なのだろうかなどと頭の片隅で考えながら彼を見る。

変わらない彼。
芯の通ったその立ち姿も。
普段はへらっとして必要以上に権力を振りかざさない、その姿も。
何も、変わってない。
、、、それが少しだけ、辛かった。

なんとなく何かを聞きたそうな副隊長さんに、あとで彼に聞いてくださいといえば少し驚いた顔をされてしまった。