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背すじをピンと! ページ22

八巻章。
私が彼を認識したのは去年の文化祭。
ビシッとスーツで決めた男の人とすれ違って、何事かと思ったのを覚えてる。

後から教室で仕事をこなしながら友達に聞いたら、ちょうど私のシフトの時間は競技ダンス部のパフォーマンスが行われていて。
おそらくその部員だろうと言われた。

特徴を告げれば、(金髪の人というだけだけど)八巻章と名前まで発覚して。
すごく目立つ人なんだなぁ、と。
そう思ったのを覚えてる。

だからといって特に彼と関わることもなく。
ただ私が視界に入れた時に、あ、八巻章、さん。なんてさん付けで彼を認識するくらいの。
そんな小さな一方的な関係?のまま、1年が経過して。今日は文化祭2日目だ。

シフトまで時間がまだ十分にある為、とりあえず時間を潰しに行こうと歩き回る。

友達のシフトが終わるまであと10分、という時だった。


「競技ダンス部14:00から体育館でパフォーマンス行いまーす!!」
『?』


ざわざわざわざわ。
人混みでの騒音なんて当たり前のことだけど、なんだか妙にその音が密集してるような。
なんだろう。
そんな軽い気持ちでちょっとその集団に混ざってみれば。


『うわ、』


キラキラしてて、てろてろな生地。
面積の少ないそれは、むしろ隠せてる所の方が少ない。
そんな過激的な姿の綺麗な女の子がメガホン片手に競技ダンス部ー、と仕切りに口にしていた。




あ、あの顔見たことある。
あれだ、椿秋子さん。
綺麗な子なんだけど、ちょっと今日の姿は過激だ。
、、、というか、そうか。
これが競技ダンス部か。

、、、うん、過激だ。


「これよかったら、って」
『?』

ぽけーっと彼女が目の前を歩いていくのを見ていたら不意に聞こえた声に目線をずらす。
そこにいたのは、

『八巻章、、さん。』
「?おう。」

きょとん。
そんな顔した彼を見て、しまったと思うがもう遅い。
特に同じクラスになったこともないし話したこともなければ挨拶すらしたことない。

いくら目立つ人とはいえ、なぜ名前を呼んだの私。
片眉をあげた彼に対して苦笑いで対応してた、のだけれど。


「さん付けって。俺ら同い年だろ?」
『え?』

少し口角を上げ、呆れたような。
少しバカにしたような、と言ったら聞こえは悪いが。
とても優しい顔した彼はそう言った。

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作者名:ヒヨコ | 作成日時:2017年8月17日 10時

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