気紛れ短編集！【おそ松さん】

★☆永い時を超えて　2 ページ13

家に帰ったけど、誰もいない。
親はいない。ここに住んでいるのは自分1人だ。

今から食材をとりにいかなければならない。
俺は近くの海に向かった。

海といっても崖で、近くのこどもたちは誰も近寄らない。そういわれているらしい。
だけどここは俺の食べものをとる場所だ。誰も寄らないぶん、やりやすい。

よっと崖から下の海をみると、なにかが波の勢いで岩にうちつけられていた。

『お、なにかあるじゃん！』

木の枝を合わせて長くした棒をうーんと伸ばす。
あと2m、1m、10cm、5cm……。
そしてなんとか手に入れることができたのだが。

『何これ……？』

とる途中でちぎれてしまったという理由もあるが、それが何だかわからなかった。

だけどそんなことを気にして食べなかったら、いつまで経っても食べられない。
1人だとわかったときから、どんなことも覚悟している。

おいしそうに焼いてあーんと口を広げる。
魚かと思ったら肉で、少し驚いた。
しかも、珍しくおいしい。

『うま〜』

声に出すとさらにおいしく感じる。
みんなで食べるごはんはおいしいらしいが、1人で食べるごはんもおいしい。口に出すと、もっとおいしいと思えるようになる。

1人なことを嘆くより、1人でもいいなと思えることを探したほうが、いい気がする。

うんうんとうなずき、さっさとごはんを食べきり、寝る準備をした。
明日はたくさん遊ぼうと思いながら、ゆっくりと眠りについた。

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