３:カプセルのお願い ページ3
怖ず怖ずと振り返ると、巨大な培養カプセルに浮かぶナチュラルボブの青年がいた。カプセルの中は液体で埋められていて、息が出来るよう人工呼吸器が吊るされている。彼は何かしらの実験に身体を使われているのだろうか。
幾つものコードが繋がれたカプセルの中にいて、分厚い硝子に囲まれているにも関わらず、逃げないようにするためか彼の身体には細い糸が纏わりついている。人工呼吸器からは微かな息の音が聞こえる。
「ねえ、ボクは全部見ていたよ。教えてあげる、キミのこと。だから、そのかわり」
張り巡らされた糸に絡まって動かしにくそうな綺麗な手で頭上を指して、言った。
「これを、切ってくれないかな」
彼が指さす先を見れば、培養カプセルの真上には全ての糸が括られている。あれを切れば、彼はカプセルの中では自由になれるというわけだ。だが、流石にそれだけの身長が私にあるわけではない。平均的な女子中学生二人分の高さもあるこのカプセルの上に行くのは、不可能とは言わないが難しい。
そもそも、この青年が何者なのかも分かっていない。私に危害を加えるかもしれないし、信じきれるかなんて分かったものじゃない。名前も知らない、面識もない人間をこの怪しげな培養カプセルから出すのは少々危険だ。
「お願いだから、ね？」
そう私を見る目は何かを企んでいるようには見えず、純粋に懇願しているようだった。
しかし、糸を切るにしても高さが足りない。どれだけの高さがいるか再確認するため、培養カプセルのすぐ側まで行き、その硝子を撫でてから上を見た。天辺が見えない。近くの机に並べられている機械を踏み台にしてもいいのだが、きっとあれはこの青年の生命維持装置なのだろう。あれで彼の呼吸を確保したり、生命を保っているはずだ。壊してしまったり、下手にボタンを押してしまったりすれば大変なことになりかねない。
その場を動かないでいると、青年は不思議そうに首を傾げた。
「このカプセルに繋がってる管を使えばいいよ、木登りするみたいにね。外れても大丈夫さ。この中の水が抜けるだけだから」
本当に水が抜けるだけなのかは分からないが、使ってもいいのなら助かる。私は身長は小さいとはいえそこまで軽いわけではないはずだ。踏み台が重さで崩れる可能性があるので、それでもいいという足場があるのはいい事だ。
できるだけ太くて頑丈そうな管に右足を引っ掛けて、ぐっと力を入れる。千切れないか確認してからその管に体重を預けて立ち上がった。
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イズ(プロフ) - おさかなさん» 登録ありがとうございます...！なるほど...纏めるのも大事ですよね！頑張ります！ (2018年7月26日 16時) (
レス) id: a1632902ab (このIDを非表示/違反報告)
おさかな(プロフ) - 占ツクで私が普段読むような小説を読めるとは思っていませんでした。今2文で表現しているが、1文に纏められるところがいくつかあるなーと感じました。わかりにくい言い回しかもしれません、すみません。お気に入り登録させていただきました。これからも頑張って下さい。 (2018年7月25日 18時) (レス) id: 8a0d738c09 (このIDを非表示/違反報告)
イズ(プロフ) - 眠い少女さん» ありがとうございます...！研究してもっと良い作品にできるようにしていきます！ (2018年7月23日 16時) (レス) id: a1632902ab (このIDを非表示/違反報告)
眠い少女(プロフ) - 言葉が難しすぎるのかもしれないですね(*´ω｀*)これからも頑張って下さい！！ (2018年7月23日 9時) (レス) id: 5372210ae9 (このIDを非表示/違反報告)
眠い少女(プロフ) - 語彙力はありますね！！でも…表現力が足りないのかもしれません。例えば…そう私を見る目は…の所を、そう私を見つめる目は、ただ純粋に頼んでいるように見えた…みたいな感じですね。 (2018年7月23日 9時) (レス) id: 5372210ae9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イズ | 作成日時：2018年7月20日 16時
