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「待って！」
エレベーターがやってきて、乗り込もうとしたところで後ろからそう呼び止められた。
ゆっくり振り返れば、
『────阿部くん、』
「待って、俺も一緒に帰るよ」
そこにはほんの少し肩を揺らした阿部くんがいた。
言う通り、彼の手には鞄があって、私は困惑する。
「具合悪いなら、一人で帰らせるのは心配だから」
『や、大丈夫！そこまで悪いわけじゃないから。阿部くんはみんなと楽しんで、』
さっき具合悪いから帰るなんて言ったからだ。
阿部くんきっと優しいから心配して、着いてきてくれたんだ。
…どうしよう、私のせいで、阿部くんに迷惑かけてる。
「でも何かあったら困るから、」
『違うの……！』
ほんとは具合が悪いんじゃないのに、こんなに心配してくれてると思うと、罪悪感で胸が痛くて。
『…あの、ほんとは具合悪いんじゃなくて』
「え？」
『……ちょっとあそこに居づらかったと言うか、気まずかったと言うか、』
そう、思い切って本当のことを話せば、阿部くんは「あー、なるほど」と頷いて、また柔らかく笑ってくれる。
「なんとなくだけど、そんな気がしてた笑」
『…ごめん、嘘ついて』
「ううん、俺もちょっと葉山さんの気持ちわかる。大人数って、ちょっとだけ居心地悪いよね」
あぁ、優しい人だな。
私のこと気遣ってくれてる。
…でも、私のせいで阿部くんまで出てくることになってしまったのは、本当に申し訳ない。
『あの、だから阿部くんは私のことは気にしないで、』
「俺さちょうどそろそろ帰ろうと思ってたんだ。この後塾あるし」
『え？』
「だから途中まで一緒に行ってもいい？」
そんな風にふわりと微笑まれたら、否定の言葉なんて浮かばない。
…いいのかな。
小さく頷けば、阿部くんは「じゃあ行こう」とエレベーターに乗り込む。
ふわりと柔らかい香りがして、変になってた心が少し解かれる。
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こゆき(プロフ) - ぽめさん» こんにちは！描写気をつけて書いているのでそのように読んでいただけてとても嬉しいです…！優しいお言葉ありがとうございます！この先もお付き合いいただければ幸いです…！ (2021年11月1日 22時) (
レス) id: 1ae247aadb (このIDを非表示/違反報告)
ぽめ(プロフ) - こんにちは！ふっかの主人公ちゃんへの誘惑が甘過ぎて、毎回キュンキュンしながら読んでます、、、描写もとても細かくて、頭のなかで様子をイメージしながら読むのがとても楽しいです…！この先ふっかがどうするのか…楽しみです！無理はなさらず頑張って下さい！ (2021年10月24日 21時) (レス) id: 974c37f842 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 名無し88264号さん» はじめまして…！一番だなんてわたしには勿体なさすぎる御言葉ですが、そのように言っていただけて本当に嬉しいです！コメントありがとうございます！こちらこそこれからもお暇な時に読んでいただけたら幸いです…！ (2021年10月11日 2時) (レス) id: 1ae247aadb (このIDを非表示/違反報告)
名無し88264号(プロフ) - はじめまして！色んな作品を漁っていたらこの作品に辿り着いたのですが、今まで読んできた作品の中で一番好き！っていうくらい大好きです、、思わずコメントまでしちゃいました(*´-`)これからの更新も楽しみにしています！無理せず頑張ってください！ (2021年10月3日 13時) (レス) id: 6f3aec2268 (このIDを非表示/違反報告)
雪色ぺんぎん(プロフ) - こゆきさん» えええぇ…もうこんな神作者様にそんな風に言って頂けて幸せしかないです！最新話弾丸で読みました…もうほんと素敵です。これからのずっと応援してます！このご時世ですのでどうかお身体に気をつけてお過ごしくださいませ。長々と失礼しました。 (2021年8月27日 0時) (レス) id: 4008c4223a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2021年5月2日 12時
