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………なにしてるんだろう、私。
参考書や教科書が並べられた本棚に、机の上に積まれていたそれらを戻しながら思う。
こんなちょっとの片付けなんかする暇があったら勉強できるのに。
わざわざあとで使う参考書まで棚に戻してる私の今の行動は、なんて効率が悪いんだろう。
家に帰ってきてから今日はまだ一度もペンを握っていない。かなりの時間の無駄遣い。
でも、それもこれも全部、彼のせいなんだ。
……いきなり、家に来る、とか言うから。
これでもし昼間のあれが彼の悪い冗談だったら、私はただの恥ずかしいやつじゃないか。
あれから私はそのことばかり考えて授業中もなんだか上の空だったっていうのに。
部屋の片付けが終わって、なんとなく勉強机に座って勉強を始めたけどやっぱり身が入らなくて。時間だけが刻一刻と流れていく。
『…なんだ、結局来ないんじゃん。』
17時を回った時計の針を見て、ふっと鼻から嘲笑が漏れた。
少し前から隣の家から漏れている明かりは彼がもう家に帰ってる証拠だ。
それでもやってくることはないんだから、どうやら昼のは彼の悪い冗談だったみたい。
…恥ずかしいやつ、なっちゃったな。
でも来ないとわかったらもう気にすることはなにもないんだから、今度こそ勉強しよう。
そう思って再び勉強机に戻る。
下ろしていた前髪を上げて、さっきしまった参考書をもう一度机の上に広げてペンを握った、その時。
ピーンポーン
静かな部屋に似合わない、機械的な音が下の階から聞こえて。
「ちょっとA！！辰哉くん来てるんだけど！え、あぁ、どうぞどうぞ、…そうそう、昔と同じ部屋ね」
…は？来た？
え、なんでいま、
慌てる私と階段を上る足音。
がちゃりと開いた部屋のドアの向こうに立っていた彼は、
「おー、すげぇ。また勉強してんの？」
私と目が合うと頬の筋肉をゆるゆると緩ませた。
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こゆき(プロフ) - さゆさん» コメントありがとうございます…！更新頑張ります！！ (2020年11月29日 10時) (
レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - 楽しいです！更新楽しみにしてます(^^) (2020年11月26日 23時) (レス) id: 04307595de (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - (名前)ひなさん» いつもありがとうございます…！自己満の拙い作品ですが、好きだと言っていただけて本当に嬉しいです！さらに楽しんでいただけるよう、更新頑張ります…！ (2020年10月18日 0時) (レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ひな(プロフ) - うわあ新しい作品もめちゃめちゃきゅんきゅんします…！！ほんとにこゆきさんの小説好きすぎて…毎日見てます！！しぇあはうすの住人もハニーシュガーの誘惑も楽しみにしてます＾＾ (2020年10月12日 16時) (レス) id: cc80ef896f (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - さーたんさん» コメントありがとうございます…！描写とても考えながら書いているので、そのように言っていただけてとても嬉しいです！今後もよろしくお願いします…！ (2020年10月11日 21時) (レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年10月5日 23時
