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岩「で？あの子となんかあったわけ？」
窓の外を見てた俺に照が「すげぇ嬉しそうな顔してんじゃん」と少し揶揄うような声で聞いてきた。
なんかあった？そりゃ、ありましたよ。いろいろ。
『いやー、さっきAんとこ行ってたんだけどさ、』
渡「え、まって。お前らいつ間にそんなに進展してんの」
今朝の出来事をペラペラと喋り出そうとすると、翔太が慌ててそれを遮る。
進展、したな。ほんとに。
昨日今日でこの半年分、いや2年分くらいが一気に動き出した気がする。
『んー、昨日家行って話して、今日は朝一緒に学校行こうと思ったら先行かれてたから追っかけて教室まで行って、「ちょ、待って待って、」
渡「は？なに、家行ったってなに？」
『そのまんまの意味だけど』
昨日の昼休み、俺はたまたま運良くAに遭遇した。
彼女が落とした教科書を偶然拾って。(本当は落としたのを見て走ったけど)
案の定彼女には面と向かって昔とは違う「深澤くん」って呼び方で呼ばれ、あからさまに他人のフリをされたけど、
このチャンスを逃すものかと、俺は家に行くと一方的に約束を取り付けて。(だってそうでもしないと断られると思ったから)
そして昨日の夕方、ついに彼女と半年ぶりに話をすることに成功した。
数年ぶりに上がった彼女の部屋はまるで別人の部屋のように余計なものは一切なくなってて、教科書とか参考書とか、あとは医学部への道とか書かれた本も置いてあったけど。
だけど、数年ぶりにしっかり目を見て話してみてわかったことがある。
あの子はたぶんまだ、俺のことは忘れてない。
今朝も、昨日も。Aの中から一切消えてしまったと思っていた俺の存在は、まだどこかに残ってる。
俺と話をするときにちょっと上目遣いになるところとか、距離を詰めると動揺するところとか、他の女の子との会話を盗み聞きして妬いたみたいな顔するところとか。
この数年で彼女はいろいろ変わったけれど、根本は変わってなくて。
そしてそこで俺は一つの結論に至った。
あれ、もしかしてこのまま押せばいけんじゃね？って。
もちろん彼女が夢に向かって頑張っているのを邪魔をするつもりはないけど、でも。
Aが俺から遠ざかってくのだけは無理だから。
『俺そろそろ本気出そうと思うんだよね』
渡「は？なにが？」
『本気でAのこと捕まえる』
だからこれから、
ちょっぴり甘い誘惑を仕掛けてみようと思うのです。
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こゆき(プロフ) - さゆさん» コメントありがとうございます…！更新頑張ります！！ (2020年11月29日 10時) (
レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - 楽しいです！更新楽しみにしてます(^^) (2020年11月26日 23時) (レス) id: 04307595de (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - (名前)ひなさん» いつもありがとうございます…！自己満の拙い作品ですが、好きだと言っていただけて本当に嬉しいです！さらに楽しんでいただけるよう、更新頑張ります…！ (2020年10月18日 0時) (レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ひな(プロフ) - うわあ新しい作品もめちゃめちゃきゅんきゅんします…！！ほんとにこゆきさんの小説好きすぎて…毎日見てます！！しぇあはうすの住人もハニーシュガーの誘惑も楽しみにしてます＾＾ (2020年10月12日 16時) (レス) id: cc80ef896f (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - さーたんさん» コメントありがとうございます…！描写とても考えながら書いているので、そのように言っていただけてとても嬉しいです！今後もよろしくお願いします…！ (2020年10月11日 21時) (レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年10月5日 23時
