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高校に入ってから、一に勉強、二に勉強の私には友達と呼べるような人はいなくて。
基本的に休み時間はこうして一人で机で勉強している。
別に友達がいないからといって寂しいわけではないし、むしろそのほうが効率が良くていい。
だって彼女たちみたいにべらべらとなんの生産性もない会話をしてる時間を、勉強に注げるんだから。
それ以上に効率的な時間の使い方ってないと思う。
だから誰になんと言われようと、この生き方を変えるつもりはない。
「もー、Aったらまた勉強してる。そろそろお姉ちゃんとも遊んでよー」
『…お姉ちゃん、私忙しいんだから用がないならでて行って』
「用ならあるよー、明日デートなんだけどさどっちのリップがいいと思う?ピンク系?それともオレンジ系?」
『知らないよそんなの、彼氏に聞いたらいいじゃん』
「そんなの聞いたら"どっちでも似合うよ"って言われちゃうよ!」
自室でかりかりとペンを走らせる私の邪魔をするように、ベットに寝転んで枕を腕に抱えながらバタバタと暴れてるお姉ちゃん。
これでももう社会に出て働いてる立派な大人だってことが未だに不思議でしょうがない。
「Aもさぁ、勉強ばっかりしてないで、恋とかしなよ。せっかく高校生になったんだよ?青春したいじゃん、アオハルじゃん!」
『私にはいらないの、そういうの』
「いないの?かっこいい先輩とか。私が高校生の時なんて、毎日サッカー部の先輩追いかけてたよ」
…バカじゃないの。そんなことして何になる?
先輩の追っかけとか、そんな時間があったら勉強する。だってもう、一分一秒たりとも無駄にできないんだから。
「先輩じゃなくてもさ、ほら、クラスメイトとか、同級生とかに一人くらいはいるでしょ?」
『いない』
てかほとんど名前も覚えてない。わかるのはテストの順位表の上位10人くらいだけ。
…あ、あと、……その他ひとり、か。
もやり。頭の奥にひとりの顔が浮かんで、慌てて掻き消した、
────のに。
「あ、まって。いるじゃんひとり!」
お姉ちゃんがいきなり起き上がって、枕を上に投げた。
やめてよ、埃立つから。
てかあのお姉ちゃんの顔、嫌な予感しかしない。
「辰哉くんがいるじゃん!」
……ほらね。
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こゆき(プロフ) - さゆさん» コメントありがとうございます…!更新頑張ります!! (2020年11月29日 10時) (レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - 楽しいです!更新楽しみにしてます(^^) (2020年11月26日 23時) (レス) id: 04307595de (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - (名前)ひなさん» いつもありがとうございます…!自己満の拙い作品ですが、好きだと言っていただけて本当に嬉しいです!さらに楽しんでいただけるよう、更新頑張ります…! (2020年10月18日 0時) (レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ひな(プロフ) - うわあ新しい作品もめちゃめちゃきゅんきゅんします…!!ほんとにこゆきさんの小説好きすぎて…毎日見てます!!しぇあはうすの住人もハニーシュガーの誘惑も楽しみにしてます^^ (2020年10月12日 16時) (レス) id: cc80ef896f (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - さーたんさん» コメントありがとうございます…!描写とても考えながら書いているので、そのように言っていただけてとても嬉しいです!今後もよろしくお願いします…! (2020年10月11日 21時) (レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こゆき | 作成日時:2020年10月5日 23時